コラム・事例集

公開日時
2017/10/27 00:00:00

【 知的財産 】農業と知的財産

この記事の執筆者
大手町綜合法律事務所 弁護士 髙丸 涼太

  

農業にとっても意外と身近な知的財産。今回は、知的財産のあらましと、農業と知的財産の関わりを解説します。

1.知的財産とは

「知的財産」とは、

・ 人間の創造的活動により生み出されるもの
・ 事業活動に用いられる商品やサービスを表示するもの
・ 事業活動に役立つ技術上・営業上の情報

をひとまとめにした言葉です。この「知的財産」を保護するため、法律などで様々な権利が保護されています。知的財産を保護する法律などのことを「知的財産法」といい、知的財産法が定める権利などのことを「知的財産権」といいます。
 例えば、この私の文章は「人間の創造的活動により生み出されるもの」であり、著作物という「知的財産」です。この著作物を保護するのが「知的財産法」の一種である著作権法であり、著作物を創作した人(著作者)には、「知的財産権」の一種である著作権という権利が認められています。他にも、発明について認められる特許権、商品やサービスに使う名前やマークに認められる商標権など、いろいろなものがあります。

2.農業と知的財産のかかわり

 そして、実は農業も知的財産と密接に関わっています。お米や畜産物、野菜などの中には、ブランドと呼べるほどの社会的評価を築いている商品も少なからずあると思いますが、そうしたブランドを保護するために重要なのが、知的財産権なのです。
 例えば、苦労の末、新たにお米の品種を開発したとしましょう。新品種の開発には、時間や労力やお金などのコストがたくさんかかっています。もしこれを誰でも自由に使っていいということになれば、せっかく苦労して開発した成果にただ乗りされることになってしまいますし、わざわざ苦労して新品種を開発しようという人はいなくなってしまうでしょう。
 
 また、その新品種のお米が大変評判になり、売れ行き好調になったとしても、あまり質の良くないお米を作っている人が勝手にその新品種と同じ名前で売り出せば、お米を買おうという消費者は、評判になっているお米と勘違いして買ってしまうかもしれませんし、勘違いして買った結果、お米の品質にガッカリして、もともと評判だったお米の評判が落ちるということにもなりかねません。これは日本の中での話だけではなく、外国でも同じような話があります。日本の地名が勝手に外国で使用されていた、商標登録されていたなどのニュースを耳にした方もいることと思います。
 
 このような事態が起きないように、あるいはこのような事態が起きたときに困らないように用意されているのが知的財産権です。例えば、植物の新品種は、種苗法という法律によって保護を受けることができますし、商品やサービスの名前やマークは、商標法という法律によって保護を受けることができます。これらの詳しい内容を含む、農業経営者の方に知っておいていただきたい知的財産の話を、これから紹介していきます。

髙丸 涼太(たかまる りょうた)
  大手町綜合法律事務所 弁護士
 
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。

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