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食品のネット販売の専門家 ヤフー株式会社 桝竹 崇志さんが、インターネット店舗運営のポイントを解説します。
前回のコラムでは、“インターネットで食品が売れます!”という内容で食品をインターネットで販売するまでのおおまかな流れを紹介させていただきました。
第2回の今回は、インターネット通販サイトの種類、“モール型ECサイト”に出店するための選定基準、インターネットでどのような食品が売れるのか、などをお話させていただきたいと思います。
インターネット通販サイトの種類
インターネット上に出店するには、大きくわけて2つのパターンがあります。1つは“自社ECサイト”、もう1つは“モール型ECサイト”と呼ばれるものです。(ECとは、“Electronic Commerce”の略で、日本語では「電子商取引」と訳されます。)
“自社ECサイト”
“自社ECサイト”はリアルの世界に例えると、自ら土地に建物を建てるところから始まり、設計や備品、陳列棚に至るまで全て1から揃えるイメージです。
自分好みの建物にすることができるので、デザインなども好きなようにつくることができます。その反面、システムの構築費用、管理費用、手間など、初めてインターネットでモノを売る方にとっては運用面でとても難しいところがあります。
“モール型ECサイト”
“モール型ECサイト”もリアルの世界に例えてみますと、デパートがすでに建っていて、店舗の内装もできており、陳列棚に売りたい商品を並べるだけのイメージです。
“モール型ECサイト”はすでに陳列棚ができているので、費用面も、手間の面でも大きな負担なく出店できるといえます。また、集客の面においても、 “モール型ECサイト”は認知度もあるので、1から集客をしなければならない“自社ECサイト”に比べて、苦労する点は少ないと思います。
“モール型ECサイト”に出店するための選定基準
“モール型ECサイト” と一概にいっても、日本国内に多数存在します。「楽天市場」、「au Wowma!」、「ポンパレモール」、そして「Yahoo!ショッピング」と多種多様です。出店するモールを選定する際に抑えるべきポイントをいくつか挙げさせていただきます。
まずは、ページのデザインです。
商品を比較しやすくシンプルなデザインのモール、ポップなデザインの若者向けモール、セールやキャンペーンなどを大々的に告知しているモールなどさまざまです。一度、各モールを比較していただくと良いかと思います。モールによって、色やデザインが違うことに気づくはずです。
出店される際には、“初期費用”や“出店手数料”、“販売手数料”などのランニングコストも気にかけた方がよいでしょう。リアル店舗と同様に、売りたい商品の原価率や人件費なども含めて、しっかりとコストを計算することが重要です。
「Yahoo!ショッピング」は“出店手数料”も“販売手数料”も無料となっているので、安心してご出店いただけると思います!
インターネット上で売れる食品とは?
インターネット上では、どのような食品が売れるのでしょうか?
ECが流行り始めた頃、“重い荷物を家まで運んでくれる”ことが話題となりました。お米や水など、スーパーで買うと重い食品が今もよく売れることは変わりありません。
しかしながら最近では、お米や飲料だけではなく、魚介類、フルーツ、スイーツ、お肉、調味料など、あらゆる食品もECで売れるようになっています。
例えば、魚介類では年末にカニが飛ぶように売れ、6月頃にはうなぎ、9月にはサンマ(鮮魚)も予約注文が殺到しています。そのほか、うにやいくら、サーモンなどの海鮮、惣菜等も大変好評です。
また、フルーツではさくらんぼやメロン、みかんやシャインマスカットなど、季節に応じて自宅用とギフト用の両方売れています。ギフトでは、近年、母の日はさくらんぼ、お中元は桃・メロンなどの購入が年々増加しています。一般的に、旬の2か月前から予約注文が開始となる為、事前に必要な出荷量もある程度把握できます。
更に、スイーツでは、バレンタインには本命用や義理用のチョコレート、お中元にはひんやりアイスクリームやゼリー、クリスマスにはホールケーキなどが売れます。
他にも、うどんやそば、ラーメン、ミックスナッツ、牛肉、高菜、バームクーヘン、牛丼、梅干しなどなども売れます。また、世の中にはあまり知られていない食品でも、上手に訴求していただくことで、想像を大きく上回るほど売れることが多々あることもECの醍醐味かもしれません。
世の中のライフスタイルの変化と共に、ECサイトで“食品を買う”ことの概念も普及し、食品で売れないものはない、と言っても過言ではありません。
さて、今回はインターネット上に出店する具体的なお話させていただきました。次回は食品におきまして、いつ売れるのか?どうすれば売れるのか?を具体的な内容でお話しさせていただきます。是非、次回のコラムをご期待頂ければ幸いでございます。
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