- スーパー等の販売データや生活者へのアンケート結果等、様々なデータの収集〜集計〜分析を行っている株式会社インテージ。今回は、玉木さんが、「ゴールデンウィークの食卓事情」について解説します。
こんにちは。インテージの玉木です。
このコラムが掲載される頃、地域によっては春の気候を感じているかもしれません。春の大型連休と言えばゴールデンウィーク(GW)。2019年は新天皇即位の祝日(5月1日)もあり、10連休のGWとなった人も多かったのではないでしょうか。
今回は、そんな2019年GWの食卓データから、販売に繋がるヒントを探りたいと思います。ご一読いただけますと幸いです。
ゴールデンウィーク期間の夕食。内食率は?
大型連休という事で、家族と旅行に出かけたり、気の合う友人と飲みに行ったりなど、家で夕食を食べる頻度は減るのではないか?と考えられますが、実際はどうだったのでしょうか。
インテージのデータの1つである1,260世帯の食卓調査「キッチンダイアリー」の内食率(内食率:何%の世帯で食事が自宅で食べられているか?)で確認してみました。
▼2019年GW期間(4月27日-5月6日)及び、その前後の内食率(%) <夕食>
(京浜、中京、京阪神3エリア計 2人以上家族の主家事担当者、2019年4月15日~5月17日)
※内食率:全世帯の内、自宅で食事をしている率 (%)

GW突入の4月26日、27日に内食率は一気に下がり、最も内食率が低くなるのはGW終了1日前の5月5日となっている事が確認できます。
ちなみに4月30日は営業している企業もあったようですし、平成最後の夜を自宅で過ごすなどもあったのか、内食率が一時的に高まった様子が見えました。
また、翌日から会社や学校が始まる前夜となるGW最終日は一気に内食率が回復している事が確認でき、明日からの日々に備えて自宅での夕食としていることが想像できます。
GW中にどんな食事をしているのか?というのも気にはなりますが、今回は、明日に備えて一気に内食率が高まるGW最終日の5月6日に注目したいと思います。
ゴールデンウィーク最終日。明日に向けて何を食べるのか?
それでは、注目の5月6日に出現しやすいメニューを「キッチンダイアリー」の出現率(TI値)で確認してみましょう。GW全体の平均TI値と比較した際に、倍率が大きい順(出現しやすい)に10メニューを確認しました。
▼キッチンダイアリー “夕食” 5月6日に出現しやすいメニューTop10
※GW全体の夕食TI値と5月6日の夕食TI値を比較した時に倍率が高いメニュー上位10
(京浜、中京、京阪神3エリア計 2人以上家族の主家事担当者、2019年4月27日~5月6日)
※TI値:1,000食卓あたりの平均出現回数 (回)

5月6日に最も出現しやすいメニューは、「ステーキ・バター焼き(牛肉)」という結果となりました。GW最後の夕飯は豪華なステーキで締めくくる家庭が増えるようです。周囲の人にこの結果について意見を聞いてみると、豪華ではあるが調理が比較的楽なステーキは、料理をする人にとってもありがたい一面があるようです。
また、ランキング4位には「持ち帰り弁当、折り詰めなど」がランクインしており、GWの最終日くらいは、料理をつくる事から解放され、家族全員がしっかり休みを取れるようにしている様子もうかがえます。
専業主婦の方や、主に料理を作る人にとっては、GWのような大型連休は通常の時期よりも家族の料理を考える回数が増加し、最も疲れが溜まっているのが最終日なのかもしれません。
大型連休の最終日などには、家族全員にとってご褒美となるような、”豪華だけど調理は簡単”なメニューを訴求することで購買を活性化する事ができるかもしれません。
また、9位には「ノンアルコール飲料(ビール、カクテルなど)」がランクイン。連休中の暴飲に対する休肝日としている人も増加しているのではないでしょうか。
GWやお盆、年末年始などは、どうしても連休全体に注目してしまうと思いますが、連休から平常時期に切り替えなければならない“最終日”に注目した売場作りも、生活者は求めているかもしれません。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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