昨年から3回に渡り、ECサイトにおける食品の売り方をご紹介させていただきました。しかしながら2020年に入り、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりたった数カ月で世の中が一変しました。
今回は番外編のような形で、現在の社会の動向におけるECサイトの現在地と在り方について書かせていただきたいと思います。
1. 新型コロナウイルスによってECはどう変わったか?
年明けから始まりました新型コロナウイルスの世界的大流行…日本にもその波が押し寄せ、3月にはマスクやトイレットペーパーといった日用品が店頭から消えるといったニュースも連日報道されるようになりました。
さらに4月になると緊急事態宣言が全国に発令され、“ステイホーム”という言葉とともに外出を自粛する事態となりました。飲食店も休業や時短営業となり、会社員も“テレワーク”を推奨されるような世の中になるとは、昨年までは誰も予想できなかったことだと思います。
そんな中でECはどうだったかと言いますと、4月にはYahooo!ショッピングとPayPayモールの取扱高が前年比約140%(2020年4月1日〜4月26日累計)となるなど、外出自粛による“巣ごもり消費”が大きく加速しておりました。
また、前年比で注文数が一番大きく伸びたカテゴリは食品でした。外出自粛の中で接触を避ける傾向にあり、ECで買い物をする人が増えた中でも食品の購入は欠かせないものであるということが顕著に出ていると思います。
さらに“巣ごもり消費”でレストランや居酒屋に行けない分、お取り寄せグルメなどでおいしいものを食べようとする嗜好品の需要も増えたように思います。学校が休校となった子供たち、“テレワーク”になった会社員が昼食を家で食べることが多くなったことも、ECで食品が伸びていた要因の1つかもしれません。
小売店や飲食店が厳しい状況である中、もちろん手放しで喜べる状況ではございませんが、こうした社会の動向の中での“販路”の1つとしてECは大変重要なものとなってきています。
2.アフターコロナでのEC
5月末現在、日本では緊急事態宣言も解除され新型コロナウイルスの影響もおさまりつつあります。しかしながら第2波が起こるという想定もあり、これからもウイルスと共存しながらの生活はまだまだ続くことになると予想されております。
今回の外出自粛や、“テレワーク”の推奨などによるEC需要の高まりは今後も続くと想定され、新型コロナウイルス収束後も引き続きECを利用しようとする人が増えると思われます。今までECを利用されなかった人たちも、初めて利用してみたり、あらためてECで買い物をすることの便利さに気づいていただけた人もいると思います。
その中でも特に食品はこうした社会情勢の中でもなくてはならないものです。逆の視点から見ると、“3密”が騒がれる中で接触を避けて“安心”して食品を買える、という意味でもECで食品を販売していくことの意義があるのではないでしょうか。
これからの未来はどうなっていくのか、非常に先が見えづらい状況ですが、いつでも家にいながら“安心”して食品を買うことができるという意味でECと食品は切り離せないものとなっていくと思います。
今回は番外編のような形でECと食品について述べさせていただきました。新型コロナウイルスが収束し、いつもの日常が一刻も早く戻ることを心から願っております…
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