アグリウェブ読者のみなさま、10回目の今回はPPICにご入会頂きました会員さまとのお取り組み事例についてお話させて頂きます。
これまでのコラムでも紹介してまいりましたPPIC(Pan Pacific International Club)ですが、当会員組織は昨年10月に発足いたしました。
当社は、「ジャパンブランド・スペシャリティストア」というコンセプトのもと、2017年12月にアジア1号店目となる「DON DON DONKIオーチャードセントラル店」をシンガポールにオープンしました。
この間当社は、日本産品を海外へ輸出するための取り組みに試行錯誤してまいりましたが、通関や農薬規制、輸送期間の長さなど様々な課題に直面いたしました。
輸出の課題を乗り越えるオールジャパンのパートナーシップ
これらの課題を解決し、より多くの日本産品を海外のお客さまへお届けするためには、オールジャパンでの取り組みが必須と考えました。
これはすなわち生産者さま、流通関係者さま、官庁・自治体さまなど輸出に携わる様々な方とのパートナーシップの強化であり、このパートナーシップを具現化するために、PPICという会員組織を立ち上げました。
おかげさまで、発足から約1年を迎えるいま、268社の事業者さま、団体さまにご入会いただいております。
さらにPPICは会員種別を以下の3つに区分しています。
①プロダクト会員:生産者さまが対象
②ディストリビュート会員:流通関係の方々が対象
③サポート会員:間接的に輸出をサポートしてくださる自治体や金融機関などが対象
PPIC会員との取り組み事例
そこでまずは、プロダクト会員さま・ディストリビュート会員さまとのお取り組み事例についてご紹介します。
大人気の焼き芋の年間供給を支える生産者
まずはじめに、当社の野菜売上No.1のさつまいもを提供くださっている鹿児島の会員さまです。
当社の海外事業のさつまいも(焼き芋原材料含)は、すべて当該会員さまからご提供いただいております。その輸出量は、年間で1,000tにも及びます。
当社の焼き芋は「甘くておいしい」「まるでスイーツみたい」と、海外のお客さまからの人気も非常に高く、これは当該会員さまの強いこだわりと工夫のおかげです。
これだけの量を定期的に年間供給できるのは、同社の素晴らしいキュアリング処理と機敏なご対応にあると考えており、本当にありがたく感じております。
サステイナブルな観点に立った「GAP」商品
またその他、当社は「GAP」(Good Agricultural Practices:農業生産工程管理)商品の取り扱いを強化しており、GAP認証のあるお取引先さまも多数いらっしゃいます。
その中でも愛知の会員さまは、いつか日本の市場を飛び出し「必ず海外へ輸出したい」と明確な夢があり、多岐にわたるGAP商品にて当社とお取引をさせていただいております。
GAPはGGAP・AGAP・JGAPなど様々な認証がありますが、すべてサスティナブルな観点に立った認証です。
安心・安全という製品保証だけでなく、環境への配慮や労働環境への配慮など非常に多くの審査項目があり、これらをクリアした企業さまに与えられるのがGAP認証です。
当社は「安心・安全・美味」という日本産品の“価値”を伝えることを使命としているからこそ、第三者機関によるGAP認証を重要視し、GAP商品を積極的に取り扱っております。
商談会やフェアー、物流インフラ構築による間接的サポート
次にサポート会員さまとのお取り組みについてご紹介します。
サポート会員さまは、自治体さまや輸出に関わる各種団体さま、金融機関さま、包材メーカーさまなど間接的に輸出をサポートしてくださる方々です。
サポート会員さまの中でも金融機関の方々からは、ビジネスマッチングという形で商談会を開催し、日本各地の生産者さまをご紹介いただき、当社とのお取引につながっています。
自治体さまとは各国でのフェアー開催を積極的に行い、各県の生産者さまの青果を積極的に導入させていただいております。
また日本各地の青果の鮮度を保持し、いかに新鮮でおいしい状態で海外のお客さまに提供するか、ということも非常に重要な課題です。
そこで各自治体さまと連携し、各地の商品を産地からそのまま輸出できるための物流インフラ構築なども行っております。
今回紹介してきたように、お客さまからの当社へのご支持は、PPIC会員のみなさまのご協力なくして成立しません。
丹念にこだわりをもって農産物をつくってくださる生産者さま
その農産物の鮮度を維持し、おいしい状態で海外へ輸送してくださる流通関係者さま
そしてこれら海外輸出に関する取り組みを間接的にサポートしてくださる関係団体様さま
みなさまのご協力無くして、日本産品の海外輸出は成功しえません。
当連載コラムをお読みくださっている読者の皆さまには、我々と一緒にチャレンジして頂ければ幸いです。
当社の海外事業にご興味をもっていただけましたら、ぜひ海外輸出に携わる会員組織PPIC(ピック)のホームページもご覧になってください。
■PPIC(ピック)HPはこちら
■ピック入会申込フォームはこちら
シリーズ『日本の農産物を海外のお客様へ』のその他のコラムはこちら
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
公開日