アグリウェブ読者のみなさま、11回目の今回は自治体さまと連携した海外店舗の店頭での産品フェアについてお話しさせていただきます。
当社では自治体の皆さまにご協力いただき、産品フェアを積極的に展開し、おかげさまで大変好評を博しています。
自治体と連動した海外店舗での産品フェア
なぜ産品フェアを積極的に開催するかと申しますと、当社はジャパンブランド・スペシャリティストアとして日本産品の専門店です。
商品の魅力と一緒に、生産者(メーカー)さまや産地の魅力を同時にお伝えすることでよりお客さまの興味を引き、日本ならびに日本産品へのご理解を深めていただくことができると考えています。
また産品フェアという「塊(かたまり)」としてイベント感を創出することで、元来高付加価値・高品質である名産品を『繋がりのあるストーリー』として正確にお客さまにお伝えできます。
各地域に精通されている自治体さまの協力もいただき、生産者さまをご紹介いただくことで海外に未上陸のポテンシャル商品を発掘できます。
海外のお客さまのお声の代表事例としては『まるで旅行に行った気分になれる』や『今後、日本に旅行したくなる』などの嬉しいお言葉をいただいています。
さてここで具体的な産品フェアの取り組みについて、三つ事例をご紹介させていただきます。フェア開催にあたり、自治体さまには、数多くの生産者さまやメーカーさまをご紹介いただいていることに加え、輸出の物流から店頭での販売まで、様々な形でご協力をいただいています。
熊本県産メロンを集めた“メロンフェア”
一つ目は、2019年から開始している熊本県産のメロンを集めた“メロンフェア”です。
今年度は開催国がシンガポール・香港のほか、マレーシアも加わり16店舗で開催し、過去最大規模の催しとなりました。
取り扱った品種はアンデスメロンやクインシーメロンなど8品種です。出荷数量は前年対比およそ200%となり、ご好評をいただきました。
元々メロンは海外で人気の果物です。イチゴや桃に比べ単価は高いですが常に果物の売上ベスト5に入る人気商品です。大玉の物から小玉で複数入っているものまで幅広く人気となっています。
特に人気が高いものがクインシーメロンに代表される赤果肉メロンで甘みの強さが特徴です。今年も国を問わず、赤果肉メロンが売上上位ベスト5位を占めています。メロンフェアの売上の約半分を占めていることからも、海外のお客さまはより甘みの強いフルーツを好まれることがよくわかります。
また海外でも人気の“くまモン”を商品パッケージや売場の販促物など装飾を施したことがアイキャッチとなり、売上増に寄与した一因と考えています。
愛媛県 松山港からの直接輸出で実現した“柑橘フェア”
二つ目の事例は、愛媛県さまのご協力のもと開催した“柑橘フェア”です。今年3月に香港6店舗で開催し、約一か月で前年同時期の柑橘類売上の約 4倍と、お客さまから多大な評価をいただきました。
同フェアの商品は、松山港からの直接輸出で出荷していることを店頭で表現し、鮮度のエビデンスとしたり、トレーサビリティをお伝えしたりできたことがポイントと考えています。
現在は県産の温州みかんや紅まどんな、白菜、玉ねぎなどをコンテナに混載しています。今後も柑橘のシーズンに合わせて晩柑なども出荷し、県産品の魅力をお客さまにお伝えしていきます。
紅はるかが各国で大人気! “鹿児島県産品フェア”
三つ目の事例は、鹿児島県さまにご協力いただいた「鹿児島県産品フェア」です。今年2月に2日間限定で、シンガポール・タイ・香港の計16店舗で実施しました。
取扱品目は、青果・鮮魚・精肉・惣菜と生鮮品全般にわたり、各コーナーで大々的に開催しました。
もっとも人気の商品はさつまいもで、その中でも紅はるか人気はダントツでした。新たなお客さまにも手にとっていただけたのが大きな収穫と考えています。その他、GAP認証を取得した大根やキャベツも人気で、フェア後も継続して販売しています。
当フェアでは鹿児島県さまのご協力もあり、店舗にPRスタッフも配置しました。
そのためライブで鹿児島県産品の良さや鹿児島県の魅力をお客さまへお伝えできたことは大変有意義でした。また来年は期間を延長し開催することが決定しています。
県産品フェアはアジアだけでなくアメリカでも
他方、アジアだけでなく、アメリカでも数多くの県産品フェアを開催しています。当社、カリフォルニアのマルカイマーケット店舗では、数年前から県産品フェアを開催しており、現在も年12回のフェアを開催しています。
アメリカは比較して輸入可能品目が多くはない地域ではありますが、自治体さまに数多くの生産者さまやメーカーさまをご紹介いただき、フェアの開催ができています。
フェア開催後、定番商品として継続的に販売することも多く、こちらをきっかけに日本産品の独自の商品ラインナップが充実できており、自治体さま・生産者さまに大変感謝しています。
今後は春夏秋冬の“旬”に合わせた店頭訴求で生鮮品と加工食品の合同フェアを企画し、より深く日本各地の名産品・特産品の良さを海外のお客さまへ伝えていきたいと考えています。
このようなバラエティ豊かな県産品フェアが開催できているのは、日本各地で丹精込めて青果物をつくってくださる生産者さまがいらっしゃるからこそです。
この場をお借りして改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。また今後とも宜しくお願いいたします。
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