■ 持続可能な農業への挑戦
連載Vol.1よりこれまで、農業参入企業として、持続可能な農業を実現するための、さまざまな取り組みについて述べてきました。これまでの取り組みを通して、下図の通り、経営・雇用・自然環境・地域・循環など、農業を構成する要素それぞれにアプローチしていくことが、持続可能な農業に向けての具体的なアクションの一歩になってくるのではないかと考えています。
ナカバヤシのアクション例を挙げてみます。
例1) 経営・雇用
経営・雇用の観点から見ると、担い手の確保、収入の安定化が求められていると考えています。ナカバヤシでは、製本と農業事業の二刀流を実現し、製本業をはじめとする農業以外の業務を行うことで、年間を通した業務の安定を確保しました。(詳細Vol.2)
例2)自然環境
環境への負担を減らす、生態系を保持するなど、自然環境と適切に共存していくことが求められています。ナカバヤシでは遊休地を活用したことで、耕作放棄地増加を抑制し、自然保全に貢献しています。(詳細Vol.3)
例3)地域・循環
近隣農家がつくるにんにくを受け入れるなど、地域と企業が連携した農業を実現しました。ナカバヤシでは、近隣の地元農家が作るにんにくを、現在約20t受け入れています。大規模な設備投資を企業が行うことで、周辺地域の方もにんにく栽培に取り掛かりやすい環境ができ、地域の農業促進に繋がりました。(詳細Vol.3)
また、地元の養父市の有機質堆肥「おおや有機」を使用し、地元資源の循環利用に努めています。
例4)作物の安全安心性・レジリエンス
作物の安全性を高めることを意識し、種付けから収穫まで営農管理システムを導入し消費者に届くまで、透明性を高めることも農業事業を長期的に持続させるために大切な要素であると考えます。ナカバヤシでは、JGAP認証を取得し品質の安心安全を追求しています。
“持続可能”という言葉を聞くと、どうしても壮大なイメージを持ってしまい、自分たちにできることなどはないのでは・・・? と考えてしまいがちです。このように要素マップを作成し分解して見れば直観的に捉えることが出来るので、まずはやれるところからアクションを起こしてみるのも手法の一つではないでしょうか。どの要素も独立しているわけではなく、相互関係があるはずです。当社において振り返ってみると、製本事業と農業の二刀流と農業の六次化へのチャレンジがダイナミックに繋がり、持続可能な農業を実現する要素になったと言えるでしょう。
ニューノーマル時代を迎えるにあたり、私たち企業としても、経済成長のみならず、社会的包摂、環境保護という3要素を配慮した活動をする必要があります。ナカバヤシ株式会社は、“あらゆる生命/生活(ライフ)への関心・価値・満足度向上を目指す=生命関連産業”のリーディングカンパニー(詳細Vol.2)を企業が社会的に存在するためのコアコンセプトとして、これからも持続可能な農業実現への挑戦を続けます。(完)
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当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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