(株式会社インテージ 西日本支社 リサーチデザイン部 飯尾真由子)
こんにちは。インテージの飯尾です。
新型コロナウイルスの感染拡大で、私たちのライフスタイルは大きく変化したといわれています。
感染拡大し始めた頃には、おうち時間が増加したことによって、自宅で料理をされる方が増え話題になりました。私自身、コロナ流行直後は手の込んだ料理に挑戦していました。
しかし最近は、コロナ禍の生活が長引いているということもあり、手間をかけずに作れる食事を取ることが多くなったように感じています。
コロナ疲れもあってか、最近は簡単に食事を済ませたいと思っている人も少なくないのではないでしょうか。
今回は、コロナ発生前と比較し、2020年度をコロナ1年目、2021年度をコロナ2年目として、トレンドの変化を見てみたいと思います(各年度4-3月を1年とカウント)。
食場面ごとの内食率の変化は?
まずは、2人以上家族の主家事担当女性に聴取している、1,260世帯の食卓調査「インテージキッチンダイアリー」を使用し、朝・昼・夜の食場面ごとの内食率を確認します。
▼食場面ごとの内食率の推移

(出所:インテージキッチンダイアリー)
2017年度から2019年度にかけてほぼ横ばいで推移していた内食率が、コロナ1年目の2020年度に、昼食と夕食で増加しました。
コロナ2年目の内食率も、前年に増加した反動でやや減少しつつも、昼食・夕食ともにコロナ前の水準は上回って推移しています。
在宅勤務の広がりによって家庭で過ごす時間が増えたことが、内食率の増加につながったと見て取れます。
内食率の変化は、職種によって異なるのでしょうか。有職女性(パート・アルバイトを除くフルタイム勤務者)と専業主婦で比較します。
▼食場面・職種別の内食率の推移

(出所:インテージキッチンダイアリー)
内食率は、昼食の有職女性で最も伸びています。在宅勤務の増加により、生活様式が大きく変化した影響と言えるでしょう。
有職女性は昼食に食べているものは?
それでは、有職女性の昼食では、どういったメニューが人気なのでしょうか。
ここでは、主食に着目して、TI値という1,000食卓辺りの出現回数を確認します。コロナ2年目に人気が高まったメニューを見るため、出現回数の2021年度対2020年度比でランキングしたものが、以下の通りです。
▼出現回数の2021年度対2020年度比ランキング(昼食・有職女性)

(出所:インテージキッチンダイアリー)
※TI値が20以上の主食のみ抜粋
前年との比較で2021年度に最も伸びたのは「ラーメン」で、出現回数が1.24倍に増加。TI値でも、「ご飯」の150回に次ぐ142回と多くなっています。
有職女性では、ラーメンが昼食の人気メニューとなっているようです。
ラーメンの人気理由を考えるため、どういった材料を使用しているのかを確認してみましょう。
有職女性の昼食における、2021年度のラーメンの材料使用率のランキングは以下の通りです。
▼2021年度のラーメンの材料使用率ランキング(昼食・有職女性)

(出所:インテージキッチンダイアリー)
1位は、ラーメンの具材の定番とも言える「鶏卵」。2位から5位は、「ねぎ・長ねぎ」「もやし」「キャベツ」「にんじん」と野菜がランクインしています。
ラーメンには、手軽に準備でき、具材によるアレンジもしやすいという特徴があります。
準備に手間や時間をかけないようにしながらも、トッピングに卵や野菜の具材などを用いて、栄養バランスにも気を付けて食事を取っていることが見て取れました。
さいごに
今回は、コロナ前と比較した内食率の変化、またコロナ禍が長引く中での食卓メニューの変化を見てきました。
料理疲れという言葉をよく聞くようにもなりましたが、コロナ2年目に有職女性は、ラーメンを具材によってアレンジするなど工夫して昼食を取っているようです。
これから夏本番となり、暑い日が続くかもしれません。栄養のある美味しい食事を取って、暑い夏を乗り切りましょう。
最後までお付き合いいただきありがとうございました
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