GAPで求められる様々な記録
前回のコラムでは、農薬や肥料の詳細な散布記録など圃場で行った作業内容を記録する方法をご紹介しました。
これは、栽培ノウハウを次の世代に残すため、あるいは、GAPの取り組みにおける農産物の食品安全の観点からも重要な記録となります。
しかし、GAPの取り組みにおいては、農産物の食品安全はもとより、作業者の労働安全、人権保護などの観点から、圃場での作業記録以外にも様々な記録の作成・管理が求められます。
クレーム対応の記録
GAPでは食品安全の観点から、異物混入等の商品に対する苦情や異常があった場合に備えて、農場内での対応手順や再発防止策などを定めた上でクレーム発生時の対応記録を残しておくことが求められます。
引用:日本GAP協会『JGAP_農場用 管理点と適合基準_穀物_2022』
作業者への教育訓練の記録
また、食品安全や労働安全を確保するためには、農場内で決めたルールを作業者がしっかりと実践する必要があるので、農場における各分野の責任者は作業者に対して訓練を施すことが求められます。
その際に、教育訓練を行った記録を作成することも必要です。
引用:日本GAP協会『JGAP_農場用 管理点と適合基準_穀物_2022』
アグリノートの作業記録の付け方(応用編)
さて、前回のコラムでは、記録の内容を正しく伝えることや記録の振り返りを容易にすることができる方法として、アグリノートによる記録のデジタル管理をおすすめしました。
今回の「クレーム対応の記録」や「教育訓練の記録」についても、同様の理由からデジタルでの管理をおすすめしますが、このように圃場での栽培作業とは異なる記録もデジタルで管理するには、どのようにしたらよいでしょうか。
アグリノートでこのような圃場に紐づかない内容を記録するには、以下の2つの操作で対応します。
1. 事務所や倉庫などの施設を圃場として登録する
2. 記録したい内容に合わせて独自の作業項目を設定する
まず、事務所や倉庫などの施設を圃場として登録をするには、圃場を登録する際に手動作成に切り替えて登録したい場所をクリックすると、ピンのアイコンで圃場を登録することができます。
そのピン圃場に「事務所」や「農機具倉庫」などの施設の名前をつけて保存をします。
(パソコンブラウザ版アグリノートの圃場設定画面)
また、アグリノートでは作業記録で登録したい作業内容に合わせて、ユーザー独自の作業項目を作成することができます。
例えば、GAPの管理点に合わせて、「異常・苦情の対応」や「作業者への教育訓練」などを作成すると良いでしょう。
作業項目の設定方法については、以下の記事をご覧ください。
参考:アグリノートヘルプセンター『ブラウザ版 記録設定01 作業項目』
(パソコンブラウザ版アグリノートの作業項目設定画面)
これらの設定をあらかじめ行っておくことで、各施設で行った、もしくは対応した作業記録を作成することができます。
例えば、商品に対するクレーム対応が起きた際には、クレームが発生した日付を入力し、作業記録のメモ欄にお客様から問い合わせを受けた内容や、実施した対応策などを記録しておくと良いでしょう。
(パソコンブラウザ版アグリノートの「記録を見る」画面①)
作業者への教育訓練を行った際には、教育訓練に参加した作業者や教育訓練の実施内容をメモ欄に記載することで記録として残すことができます。
(パソコンブラウザ版アグリノートの「記録を見る」画面②)
このように、アグリノートを応用的に活用することで、GAPで求められる圃場に紐づかない記録についても対応することができます。
また、様々な記録の作成が求められる中で、アグリノートという同じフォーマットに記録を残しておくことは、記録を探す手間を省くことにも繋がるので、記録管理の煩雑さの軽減にもお役立ていただけます。
アグリノートで記録の集計・出力をしよう!
ここまで前回のコラムと今回の2回に渡り、作業記録の基本的な使い方から応用的な使い方について紹介をしてきましたが、アグリノートでこまめに作業記録をつけていくと、栽培履歴や「作業者別作業時間集計表」などの帳票類を簡単に作成することができます。
まず、アグリノートでは作業記録をはじめとした様々な記録データをもとに圃場ごとの栽培履歴を出力して活用できます。
(アグリノートの栽培履歴 出力イメージ)
栽培履歴はExcel形式で出力されるので、GAP認証審査時の栽培管理に関する証拠書類としてはもちろん、取引先への提出書類としても利用できます。
栽培履歴の出力方法については、以下の記事をご覧ください。
参考:アグリノートヘルプセンター『ブラウザ版 出力02 帳票 栽培履歴』
また、日々の作業記録で作業者ごとの作業時間を記録しておくと、期間内で作業者が合計で何時間作業を行ったのかを集計する「作業者別作業時間集計表」を出力することができます。
(アグリノート作業者別作業時間集計表)
GAPの取り組みにおいては、労働者の労働時間や休日、休憩は法令を遵守している必要があるので、その証拠書類としてご利用いただけます。
「作業者別作業時間集計表」の出力方法については、以下の記事をご覧ください。
参考:アグリノートヘルプセンター『ブラウザ版 出力03 帳票 作業者別作業時間集計表』
今回は、アグリノートの作業記録の応用的な使い方と、用途に応じた帳票類についてご紹介しました。
GAPの取り組みにおいては、様々な管理点に沿った記録の管理や帳票類の作成が求められます。
是非ともアグリノートを活用して帳票類のフォーマットから作成するという手間を削減してください。
次回は、GAPの取り組みにおけるリスク評価についてご案内をしたいと思います。
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