アグリウェブをご覧の皆様、JA全農 耕種総合対策部 TAC・営農支援課です。
本シリーズでは、農業への新しい関わり方『91農業』についてご紹介するとともに、新しい働き手を地域の農業生産現場に呼び込む意義とポイントについてご紹介していきます。
第一回のコラムでは労働力不足解消に向けたJA全農の取り組み概要を、第二回のコラムでは農作業請負を利用した生産者の声をご紹介しました。
第三回の今回は、働き手を地域の農業生産現場に呼び込む「農作業請負」の取り組みについて、働き手の目線を交えてご紹介します。
働き手の皆さまは参加にあたり様々な不安や疑問を抱えていますが、作業後には概ねご満足いただきお帰りいただいております。
他方、おそらく本コラムをご覧の生産者の皆さまも「農作業請負は難しそう」、「うちには合わないのではないか」との思いをお持ちではないでしょうか。
ですがご安心ください。
農作業請負は多くの生産者の方に安心してお使いいただけるような仕組みにしております。
働き手の皆さまの作業前の不安や疑問と、それらに対して農作業請負の仕組みによりどのようにカバーできているかをご紹介することで、農作業請負ご活用のイメージを具体化していただきますとともに、農作業請負に対するご関心を一層高めていただけますと幸いです。
【図1】農作業請負スキーム(パートナー企業をJTBとする例)

【図2】農作業請負参加者の満足度(パートナー企業をJTBとする例)

1 よく聞かれる働き手の不安や疑問
Q1 農作業の経験がないけど大丈夫?
・JA・全農が生産者と相談のうえ、作業未経験の方にも事前準備なく安心してお取り組みいただける作業内容のみ取り扱っております。
裏を返しますと、生産者の方とは農作業請負実施前に作業内容の確認を丁寧に行います
・作業内容は収穫や調整等、特別な道具が不要でかつ単純作業となるものを基本にしております
Q2 どのような作業内容?自分にできるか不安・・・
・事前に作業内容をご確認いただけるように、農作業請負でよく取り扱われる品目・作業の紹介動画を全農HPにて公開しております
・全農HPはどなたでもご確認いただけますのでぜひご覧ください全農HP
Q3 参加にあたりどんな準備が必要?
・働き手の皆さまには、作業現場に応じた身支度(帽子・汚れてもよい服装・着替え・手袋・長靴等)と昼食をご準備いただきます
・作業道具(はさみ・鎌・包丁等)について、働き手の皆さまの準備は原則不要です
Q4 自分の近場でやっているか調べる方法はあるの?
・パートナー企業がJTBである取り組みにつきましては下記リンク先にて随時更新しております農meets!
・上記に掲載のない地区やJTB以外の取り組みにつきましては、都道府県別に問い合わせ窓口を全農HPに掲載しておりますのでお問合せください全農HP
Q5 生産者とのコミュニケーションはあるの?
・農作業請負においては、生産者とパートナー企業との間で「請負契約」を結んでいただきます
・請負契約の特性上、生産者は働き手に直接作業指示をすることができません。よって、農作業中のコミュニケーションはありません(作業指示はパートナー企業が手配する作業リーダーと呼ばれる方が出します)
Q6 作業中にケガをしたらどうしたらよい?
・労災加入等含め働き手の労務管理はパートナー企業が全て対応します
・当日作業員の方がケガをされた場合はパートナー企業に連絡し指示を仰いでください
Q7 どのような生産者のもとで働くの?
・現在の農作業請負の仕組みにおいては、働き手の皆さまに事前に生産者情報を細かくお伝えすることはしておりません
Q8 公共交通機関でのアクセスが難しく作業現場に行きづらい・・・
・現在の農作業請負の仕組みにおいては、現地集合現地解散が基本となります
・公共交通機関によるアクセスが難しい地域では自家用車等を利用していただいていますが、生産者の送迎対応があると働き手の方が参加しやすくなります
2 全農からのメッセージ
JA全農は91農業を通じ、生産者へは繁忙期などの必要な時にのみ人手を確保する手段を、農業に興味がある人や将来農業を志す人へは農業を経験する場を提供していきたいと考えています。
そして、実はそれだけではない価値も生まれてきています。
働き手は農作業をすることで確実にその地域のファンになってくださることがわかってきています。
例えば、農作業が終わった後もその地域の農産物に関心を持ち、自ら選んで買っていただく、ということが実際に起こっています。
農業に関わるハードルを下げることで、幅広い人々が農業に触れる機会を創出することに加えその土地のファンを一人でも多く増やすことにより、農業関係人口増加による農業現場の労働力不足を解消するだけでなく、地方創生・地域活性化も目指していきます(図3)。
【図3】91農業概念図

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本件に関するお問い合わせは「JA全農 耕種総合対策部 TAC・営農支援課 労働力担当(zz_zk_roudouryoku@zennoh.or.jp)」までご連絡ください。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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