(株式会社インテージ 喜多 裕子)
こんにちは。インテージの喜多です。
2026年度から15品目目の「指定野菜」に追加されることになったブロッコリー。
近年は天候の影響を受け、ブロッコリーの収穫量や価格が変動することもありました。
指定野菜になることで政府からの支援が拡充されるため、供給や価格が安定すると考えられます。
ブロッコリーは野菜の中でもタンパク質を多く含むことから、筋トレに力を入れている人達から愛用されている野菜の一つです。
特にブロッコリーと鶏胸肉の組み合わせは筋肉の成長を促し、トレーニングの効果を高めると言われています。
また、ビタミン豊富で美肌効果を期待できるため、私はブロッコリーと桜エビのオイルパスタをよく食べるようになりました。
およそ半世紀ぶりの指定野菜への追加で注目を集めているブロッコリーについて、家庭ではどのように食べられているのかを調べていきたいと思います。
ブロッコリーのイメージとは?
まず、ブロッコリーがどのようなイメージを持たれているのかを見ていきましょう。
インテージが2021年6月に20〜59歳の女性を対象に実施した野菜・果物の意識調査から、日本人女性が「体によい」と聞いて思い浮かべる野菜とその効果効能を確認します。
▼日本人女性が「体によい」と聞いて思い浮かべる野菜とその効果効能
(出所:インテージ調査レポート「野菜とフルーツから読み解くグローバルインサイト」)
ブロッコリーは4位にランクインしました。
タンパク質・抗酸化ビタミンが豊富・ヘルシー・痩せやすくなる・栄養価が高い・免疫力アップなどが挙げられており、筋肉増強や美容効果だけでなく、健康によいことも支持されているようです。
また、中国・タイ・インドネシア・フィリピン・アメリカ・オーストラリアにおいても体によい野菜(上位5位にランクイン)として認識されており、特にオーストラリアではブロッコリーが1位に選ばれていました。ブロッコリーが国際的にも、健康によい野菜として人気となっていることが分かります。
▼「体によい」と聞いて思い浮かべる野菜の国別ランキング
(出所:インテージ調査レポート「野菜とフルーツから読み解くグローバルインサイト」)
朝食でよく使われるブロッコリー
それでは、ブロッコリーは日本の食卓に定着しているのでしょうか。
2人以上家族の主家事担当女性に聴取した1,260世帯の食卓データである「インテージ・キッチンダイアリー」より、食事場面ごとの生鮮野菜のTI値(1,000食卓当たりの出現回数)を見てみましょう。
▼食事場面ごとの生鮮野菜のTI値(2023年)
(出所:インテージキッチンダイアリー)
ブロッコリーはすべての食事場面において20位以内に入っており、朝食では11位と特に高い順位となりました。
また朝食1位〜10位の野菜は「指定野菜」群のため、ブロッコリーが「特定野菜」から「指定野菜」へ昇格したことも納得できます。
チキンサラダ、味噌汁、調理トーストの具材として活用が増加
続いて、ブロッコリーがどういったメニューで使われているのかを確認します。
▼ブロッコリーを使用したメニューの出現率(2023年)
(出所:インテージキッチンダイアリー)
ここで出現率とは、各メニューの出現回数の総計を100とした時の各メニューの構成比です。
すべての食事場面で「生野菜・野菜サラダ」が1位となっており、とりわけ朝食では54.2%と半数以上を占めていました。
ブロッコリーが朝によく使われるのは、サラダの具材として使いやすいことが一因のようです。
19年の出現率との差分に着目すると、朝食では「チキンサラダ」が5.2ポイント増、昼食では「味噌汁」が4.3ポイント増と大きく伸びていました。
チキンサラダは、他のサラダの出現率が減少する中で伸びています。
ブロッコリーとチキンの組み合わせにより、高たんぱく・低カロリーなメニューとして支持されているのではないでしょうか。
昼食でも手軽にたんぱく質などの栄養を取り入れようと、味噌汁の新たな具材として使われるようになってきていると推察されます。
また、ピザトーストなどの「調理トースト」は、朝食で4.3ポイント増加しているだけではなく昼食でも2.6ポイント増加しており、ブロッコリーがトッピングとして人気となってきていると言えるでしょう。
ブロッコリーはサラダを中心に使用されつつも、味噌汁や調理トーストなど幅広いメニューで活用が進んでいることが分かりました。
SNSでもブロッコリーを使用したレシピを見ることが増えてきたように感じます。先日、焼いて粉チーズをふりかけ「野菜ステーキ」のように、豪華なおかずとして紹介されている動画を見ました。
今回指定野菜に加わることが決まり、ブロッコリーへの関心はいっそう高まっているようです。
今後もさらに食卓へ並ぶ機会が増えていくことが期待されます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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