農作業のデータを活用して適切に管理したい
情報共有を効率化して生産性を高めたい
生産者の皆さんからこのような要望や相談をいただくことがあります。こうした声にお答えするべく、これから数回にわたり、生産者の皆さんのやりたいことの実現にむけた【営農支援アプリ「アグリノート」】での記録の仕方やデータの活用方法をご案内していきますので、お役に立ちましたら幸いです。
作業の進捗状況、うまく共有できていますか?
農作業をするのに良い季節になり、すでに繁忙期に突入している方もいらっしゃることでしょう。そんな中、日々の作業に追われていると、複数人での作業進捗の共有がうまくいかず、思わぬ手間が発生することはないでしょうか。
例えば、既にその圃場では元肥を散布したのにその情報が他の作業者に伝わっておらず、もう一度元肥を散布してしまった。あるいは、田植えをしようと圃場に行ってみたら、2回目の代かきを忘れていたのに気づき、結果的に後回しにしたというような経験のある農家さんもいらっしゃると思います。
作業進捗の共有漏れによる作業の遅れやミスが重なると、余計な労力やコストがかかってしまうため、経営的にはなるべく避けたいことであるのは間違いありません。
紙での管理で起こる不便なこと
複数人での作業進捗の共有は作業を効率的に進める上で重要ですが、日々の作業記録を手書きの日誌や管理表などで管理していると、以下の点で不便を感じる場面があります。
① 現場で作業進捗を確認できない
紙での記録・管理では現場に持ち出すのが難しい場合があります。そのためどこまで作業が進んでいるか他の作業者に電話やメールで確認したり、その場で解決できなければ事務所に戻って過去の作業記録を振り返ったりするなど、余計な手間が発生してしまいます。
② リアルタイムに状況を把握しづらい
早く作業が終わった作業者に他の作業者の手伝いを指示したいといった場合には、リアルタイムな作業進捗の共有が必要です。しかし、手書きの日誌や管理表での管理では、その日のすべての作業が終わった時点での作業進捗は確認できても経過の把握には適さないため、その都度、電話などで作業者に状況を確認してから指示をすることになります。
③ 圃場の場所は地図、進捗は紙に分かれていて作業進捗が伝えにくい
進捗を把握し作業を指示するには、圃場の場所とその圃場でこれまでに行なった作業の内容を知る必要があります。ですが新人スタッフのように圃場の場所と名称を全て把握していない人に、圃場の場所・名称とこれまでの作業、さらにこれからやる作業を正確に伝えるのはなかなか大変な作業です。
『アグリノート』に記録して作業進捗をデータで共有!
これらの不便さは、営農支援アプリ『アグリノート』(以下、アグリノート)ですべて解消できます。手書きでの記録や管理表での管理からアグリノートへの記録・管理に切り替えて、リアルタイムでの作業の進捗具合の把握、そして適切な作業指示、作業者全員での状況の共有を行いましょう。
Point① 現場でアプリから作業進捗をチェック!
アグリノートに日々の作業記録をつけていくと、マップ上の圃場が作業の進捗度に応じた色で表示されるので、作業の抜け漏れを確認できます。下の画像はアグリノート:モバイルアプリ版で耕起作業の作業進捗を表示した状態です。耕起作業をした圃場は緑色(=作業済み)、耕起作業をしていない圃場は赤色(=作業なし)で表示されます。
▼アグリノート モバイルアプリ版での作業の進捗表示
作業項目は自由に作成できるので、「防除1回目」、「防除2回目」のように防除作業を回数ごとに分けて作業項目を作成すれば、同じ作業内容でも回数を考慮した作業進捗を確認することができます。
Point② リアルタイムに作業進捗を把握!
アグリノートはクラウドサービスなので、現場の作業者が自身のスマートフォンからアグリノートに作業記録を作成すると、事務所のパソコンや他の作業者のスマートフォンでも最新の内容を確認できます。よって、事務所にいる管理者がリアルタイムに作業進捗を把握し、作業が遅れている圃場に対し作業者に作業指示を出すなど、効率的な作業指示が可能になります。
▼アグリノート パソコンブラウザ版での圃場ごとの作業進捗の一覧表示
Point③ 圃場ごとの作業進捗と一緒に過去の作業記録も確認できる!
モバイルアプリ版ではマップ上で圃場をタップすると、その圃場で過去にどんな作業を行なったのかこれまでの作業履歴を確認できます。
▼アグリノート モバイルアプリ版での圃場ごとの作業履歴表示
このようにマップ画面で圃場の場所と名称がわかり、圃場ごとの過去の作業記録も一緒に確認できるので、新人スタッフでもしっかりと圃場ごとの作業進捗を把握することができます。
アナログ管理でできないことをデータ管理で実現する
日々の作業記録をデータで管理することで、手元のスマートフォンから圃場ごとの作業進捗を手軽に、且つリアルタイムに確認できるようになるなど、アナログ管理では難しい効率的な農業に取り組めるようになります。慌ただしい繁忙期でも現在までの作業進捗を正確に把握することで、作業の抜け漏れや重複の防止に繋がります。是非デジタルツールを活用した管理を実践してみてください。
今回のコラムでは、日々の作業記録をデータで管理することが作業進捗の把握に有用であることをお伝えしましたが、継続的にデータとして作業記録を蓄積していくと、次年度に向けた計画や振り返りの際の重要な判断材料になります。
次回のコラムでは、蓄積したデータがどのように活用できるのかをご紹介します。
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営農支援アプリ『アグリノート』は、無料プランからはじめられます
アグリノートはパソコンやスマートフォンから簡単にはじめられます。ご利用登録時に設定したログイン情報(ID・パスワード)で、パソコンブラウザ版とモバイルアプリ版の両方をお使いいただくことができます。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ01 はじめに』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ02 準備をしよう!』
なお、アグリノートで作業進捗機能をご利用いただくには、あらかじめ農場で管理している「圃場」の設定と栽培する作物や品種を登録する「作付」の設定をした上で、日々の作業記録を作成する必要があります。各項目の設定・記録の作成方法は以下の記事をご覧ください。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ03 初期設定をしよう!』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ04 作業を記録しよう!』
ご利用は無料プランから!
アグリノートで農作業記録のデータ化と利活用をはじめましょう。
シリーズ『活かせ!生産データのポテンシャル!』のその他のコラムはこちら
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