(株式会社インテージ 住吉 雄大)
こんにちは。インテージの住吉です。
小学生の娘の新学期がスタートし、視力検査の結果が返ってきて、愕然としている今日この頃です。普段からゲームやYouTubeをよく見ているなと思っていましたが、視力が下がっていました。しばらくゲームなどは控えめにして、なるべく外遊びをさせるようにしたいと考えています。
冷凍食品の中でも冷凍果実は好調な品目の1つで、中でも人気が高まっているのが冷凍ブルーベリーです。ブルーベリーは、目の疲れを癒し、美容や抗酸化作用の効果も期待できるとされています。冷凍食品は備蓄できるという利便性があるためか、ブルーベリーでも冷凍タイプが人気なのでしょうか。
今回は、冷凍ブルーベリーに着目して、人気の理由について見ていきたいと思います。
冷凍ブルーベリーの市場規模は直近5年で2倍以上に伸長
まずは、2019年度から2023年度までの直近5年間で、冷凍ブルーベリーがどれくらい販売されているのかを見てみましょう。全国約6,000店舗の小売店データを集めたインテージ小売店パネル「SRI+」で確認します。
▼冷凍ブルーベリーの市場規模トレンド(億円)
(出所:インテージSRI+)
冷凍ブルーベリーの市場規模は年々増加しており、2023年度は2019年度と比べて2.1倍の62億円に伸長していました。冷凍ブルーベリーの販売金額は、2023年度の冷凍果実全体の販売金額のうちおよそ半分を占めており、人気が高まっているとわかります。
どのような人が冷凍ブルーベリーを購入しているのか?
次に、どのような人が冷凍ブルーベリーを購入しているのでしょうか。インテージ消費者パネル「SCI」から、生活者計の購入金額を100とした場合の各年代の購入金額を見てみましょう。インテージSCIとは、全国15歳-79歳の男女約50,000人のモニターから、継続的に収集している日々の買い物データです。
▼2023年度の冷凍ブルーベリーの年代別購入金額指数(%)
(出所:インテージSCI)
年代が上がるほど購入金額が増えており、60代で128%と生活者計を超え、70代では180%に達していました。年代が上がるほど、購入が増えていく傾向にあるようです。ブルーベリーに含まれているアントシアニンが視力回復によいといわれていることから、年齢を重ねるにつれ視力が低下しがちなことと関係しているのでしょうか。
冷凍ブルーベリー購入者の健康に関する意識とは?
冷凍ブルーベリーの購入理由を考えるため、インテージSCI Profilerより、冷凍ブルーベリーの購入者の健康に関する意識を確認してみました。インテージSCI Profilerとは、SCIモニターに対して、価値観やライフスタイル情報を年1回聴取しているものです。
ここでは、健康で気にしていることに関するテーマに着目し、健康に関する調査の34項目のうち、2023年度の冷凍ブルーベリー購入者で「当てはまる」と回答した人の割合が最も多かった項目5つを抜粋しました。
▼冷凍ブルーベリー購入有無別の健康で気にしていることの回答率(%)
(出所:インテージSCI Profiler)
「目の乾き・疲れ」の回答が最も多く、冷凍ブルーベリーを購入していない人と比べると6ポイント回答率が高いことがわかりました。冷凍ブルーベリーの購入金額は年代が上がるほど多かったことから、加齢に伴う視力低下が気になって購入されていると推察されます。
また、「体重の増加」「体脂肪率」といった項目の回答も多く見られました。ブルーベリーに含まれているアントシアニンには、整腸作用があるとされています。ブルーベリーは低カロリー・低糖質であることから、ダイエット目的でも購入されているとうかがえます。
おわりに
5年前と比べて2倍を超えるほど市場が伸びていた冷凍ブルーベリー。とりわけ人気なのは、60・70代のシニア層でした。目の悩みだけではなく、体重増などの悩みを抱える人に人気となっているようです。
現状は若年層の購入は限られますが、冒頭で紹介した私の子供の話のように、子供の視力に関して悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか。背景には、スマホやパソコンなどを見る時間が増えたことがあるとされており、シニア層に限らず目の悩みを解消する効果が期待されるブルーベリーの需要は堅調に推移すると見込まれます。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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