(株式会社ふるさと支援研究所 清水 進矢)
はじめまして。株式会社ふるさと支援研究所 清水と申します。生産者ひとりひとりのつながりを大切にしながら、農家の自立と経営力の向上をサポートしています。
本シリーズでは、農業経営に活用できる補助金について、具体的な事例を交えて紹介していきます。
経産省の補助金も申請できる?農業経営体にもたらす効果
農業経営者にとって、補助金は経営を支える重要な手段ですが、農地や農業生産に関する補助金など農林水産省の補助金しか活用したことがない農業経営者が非常に多くいらっしゃいます。
「小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)」といった経済産業省の補助金をご存知ですか?実は、農業でもそうした経済産業省の補助金が活用でき、経営発展をしている農業経営者がたくさんいます。
本記事では、「持続化補助金」と「ものづくり補助金」に焦点を当て、農業経営にどのような効果をもたらすかを紹介します。
持続化補助金とは?
持続化補助金は、従業員数20名以下の個人事業主や法人が販路拡大や新商品開発のために活用できる補助金です。補助率は2/3、補助額は50万〜200万円です。
持続化補助金の具体的な活用事例をご紹介します。
個人農家のAさんは、直売部門を強化するため、80aの農地で栽培しているかぼちゃを加工してかぼちゃペーストを販売したいと考えました。そこで補助金を活用して保管用冷凍庫を購入し、かぼちゃペーストPR用のチラシを作成しました。その結果、冷凍庫による自社保管が可能となり、飲食店など既存取引先とは異なる顧客層にもPRでき、販路拡大に成功。直売強化が実現しました。
<冷凍庫の写真>
<チラシの写真>
ものづくり補助金とは?
ものづくり補助金は、生産性の向上やデジタル技術の導入のために活用できる補助金です。補助率は1/2〜2/3、補助額は750万〜4000万円です。
ものづくり補助金の具体的な活用事例をご紹介します。
56aの農地でトマト栽培を行う個人事業主のBさんは、異常気象による高温障害や、経験・勘に頼った手動の栽培管理が経営課題でした。そこで、補助金を活用し、ハウス用自動カーテンと環境制御装置を導入。高温対策と環境データに基づく自動栽培管理が実現しました。その結果、夏場の生産が安定し、生産量も増加。年間を通じて安定した生産と取引が可能になりました。
<自動カーテンの写真>
<環境制御装置の写真>
補助金活用のすすめ
近年、農業は作物の生産だけでなく、販路開拓やデジタル技術の導入といった生産以外の側面が重視されています。
先述した2つの補助金は、ECサイト構築による販路開拓や農業用ドローン・自動運転トラクタなどのスマート農業技術の導入などにも活用できます。補助金を適切に活用するには、情報を正確に把握し、最適なタイミングで申請することが重要です。
通常、募集要項は申請締切日の1〜2か月前に公表されます。申請準備期間は1〜2か月しかありません。
この間に募集要項の内容を把握、見積依頼、業者との打ち合わせ、電子申請に必要なアカウント取得、加点項目となる認証制度の取得、経営状況や課題分析、申請書の作成、電子申請の手続きなど通常の農作業をしながら準備をする必要があります。
近年、補助金申請の要件は多様化・複雑化しており、個人だけの対応が難しくなっています。知識のある専門家と相談しながら進めることが成功への最短ルートです。
次回は、「個人で補助金申請するデメリット」について解説します。
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小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、事業再構築補助金などの採択実績が100件以上あります。採択事例をご紹介しながら、活用方法の相談対応をすることができます。
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