前回のコラムでは、農作業の記録をデータで管理することで、アナログでの管理では難しい「時間の情報」を把握でき、さまざまな課題の解決につなげられることをお話ししました。
続いて今回のテーマは「コストの把握と管理」です。
さまざまなコストをどのようにまとめてみえる化し、その記録データをどのように活用につなげるかをご紹介します。
コストの把握に課題をお持ちではありませんか?
農作業の記録のデータ化によって解決したいことのひとつに、「コストの集計」があると思います。昨今の物価高騰の影響から資材類を購入するたびに価格が変わってコスト管理が難しくなったと感じている方や、資材類を無駄なく適切に購入するために、現状を把握して改善したいという方も多いのではないでしょうか。

会計上の管理はできていても、圃場面積や作業内容など現場の状況に即したコストを把握するとなると、アナログな方法ではすぐに確認するのは難しく、また集計するにも大変な手間がかかります。一口にコストと言っても項目は多岐にわたるので、それらをひとまとめにするのは大変ですが、デジタルな管理であれば正確な情報を手間なくまとめて、いつでも確認できます。
日々の作業内容をデータで記録することで、煩雑な事務処理の解消はもちろん、圃場ごと、作付ごと、人ごとなどさまざまな視点でコストを把握することができます。
『アグリノート』ではじめる、リアルタイムなコスト把握
アグリノートでは、圃場の面積や農薬、肥料、資材類の使用量などに応じてコストを算出するにあたり、それぞれの《単価》を設定する仕組みとなっています。
例えば農薬の場合、農薬の名称、購入した量と金額、使用量の単位を設定します。
同じものでも購入した時期によって金額が異なる場合は、その単価を適用する期間を設定します。
Point① 作業記録をつけるだけでコストを自動計算
《単価》を設定すると、その資材類を使用した履歴(作業記録)に応じてコストが自動で計算されます。
▼アグリノート 単価設定のイメージ

人件費についても同じように、《単価》設定の作業者欄にスタッフ名と時給を設定します。あとは日々の作業記録の作業時間に応じて人件費が自動で計算されます。
▼アグリノート 作業者の単価設定のイメージ

Point② 見たい切り口に応じてコストを確認できる
日々の作業記録をデジタルで管理するメリットは、作業にかかったコストが自動で計算されることだけではありません。
アグリノートには「収支」の機能があり、《単価》の設定に応じて自動で計算されたさまざまなコストを、作付別や圃場別に見たり、期間を区切って確認することができます。
▼アグリノート 収支画面での圃場別のコストの表示イメージ

一覧形式での表示のほか、どの項目に一番費用がかかっているのかが一目でわかるグラフ形式でも確認できます。費用項目別にかかった金額を細かく確認したり、グラフ表示に切り替えてコストのバランスを見るなど、さまざまな視点でコストを確認できます。
▼アグリノート 収支画面でのコストのグラフ表示

この機能を使えば、都度計算をしなくても現時点でどのくらいコストがかかっているのかがわかるので、前年実績との比較や、予算通りに進んでいるかをチェックすることもできます。
実際にアグリノートでのコスト管理を活用している生産者の方の例では、「圃場ごとのコストがわかったことで費用対効果の悪い圃場を見極め、次期の作付を検討している」というお話や、「作物ごとのコストが見えるようになったことで、作物に病気が発生した際に作業者を増やして対処するのが良いか、それとも資材を投入して対処する方が良いかなどの経営判断にも役立てられている」というお話も伺っています。
月末、年末などの区切りで確認するだけでなく、コストについてもリアルタイムに確認・把握できる農作業記録のデータ管理は、アナログで管理する方法と比べて “コスパ” のよい管理であると言えるでしょう。
データを出力しての活用も。デジタル運用だからできるコスト管理
ここまで農作業の記録をデータで管理することで、栽培におけるコストについても最新の集計を作付別や圃場別など見たい内容に応じていつでも確認できるということをお話ししました。
アグリノートでのコストの把握には、コストを算出するための《単価》の設定や、購入した際の金額の違いに対応するための適用期間の設定など配慮すべきポイントはありますが、それを補う大きなメリットが得られると思います。データを出力して利用できる点もその一つです。
▼アグリノート 作付別の支出合計の出力イメージ

上図は作付別の支出(コスト)合計を出力した場合のイメージです。出力したデータをもとに提出資料や帳簿をまとめるなど、さまざまな形で活用できます。
コストがみえる化されることでコスト面での改善点が見つかり、収入との比較 にも役立てられます。農場の「今」がわかるデジタルでの営農管理を、是非はじめてみてください。
次回はコストの管理からさらに進んで『収支の把握と管理』についてご案内します。
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アグリノートはパソコンやスマートフォンから簡単にはじめられます。ご利用登録時に設定したログイン情報(ID・パスワード)で、パソコンブラウザ版とモバイルアプリ版の両方をお使いいただくことができます。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ01 はじめに』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ02 準備をしよう!』
なお、アグリノートで作業進捗機能をご利用いただくには、あらかじめ農場で管理している「圃場」の設定と栽培する作物や品種を登録する「作付」の設定をした上で、日々の作業記録を作成する必要があります。各項目の設定・記録の作成方法は以下の記事をご覧ください。
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ03 初期設定をしよう!』
●アグリノートヘルプセンター『使い方の流れ04 作業を記録しよう!』
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