はじめまして。株式会社Agrieeと申します。
「人と地球が共存できる社会を目指して」。弊社では、環境に優しく、持続性の高い農業の実践をサポートしています。土壌微生物の分野で研究活動を行っていた経緯もあり、土づくりや栽培管理に関するアドバイスを得意としています。
これまで、業務用野菜を大規模に生産する生産法人様から高品質なぶどう生産を行うぶどう農園様、スマート農業の導入に悩む自治体様など、目指す姿も様々な生産者様に対して、それぞれの目的に応じたアドバイスをさせて頂いてきました。また、施肥設計のアドバイスや栽培マニュアルの作成等、皆様の状況をヒアリングしながら、その時々に必要なサポートをさせて頂いております。
本シリーズでは、そのような実際に寄せられた相談の事例を交えながら、栽培管理や土づくりのポイントを解説して参ります。
第一回となる今回は、土づくりにおいて最も大切な「土づくりの目的」について説明させていただくとともに、土づくりを考える際に重要な圃場の環境や管理状況の影響について紹介します。
土づくりで最も大切な「目的は何なのか」
「野菜づくりは土づくり」。よく耳にする言葉です。「土づくり」の重要性を意識したことがない生産者さんはまずいないと思います。
でも、実際にどうしたらいいか、具体的に何をしたらいいかを知っている生産者さんは、意外と少ないこともまた事実です。就農したばかりの生産者さんからは、「何から始めたらいいの?」「どうすればよくなるの?」「そもそも土ってつくれるの???」といいったご相談を頂きます。
「そもそも土ってつくれるの???」は、すごく率直なご質問ですよね(笑)。漠然と、何かしなくてはならないと分かってはいるけれど、何をしたらいいか分からない…という状況がとてもよく伝わってくるご相談が多いです。
実は、土づくりを始めるときに一番大切なことは、「目的は何なのか」を明確にすることです。でも、そこを置き去りにして、とにかく何か始めなくては!と勇み足で相談される方も多い。
なんのために土づくりをするのか。これは、どんな作物を作りたいと考えているのか、これからどんな農業経営を進めていきたいと思っているのか、に繋がってきます。
そのため、こういったご相談をくださる生産者さんにはまず、「これからどんな生産者を目指したいのか?どんな作物を作りたいと思っているのか?」を一緒に考えることから始めます。少しずつ考えを進めると、目指す姿も見えてきて、これに紐づいて、やるべき土づくりの形も自然と見えてきます。
土だけでなく圃場の環境や管理状況も影響
ベテラン生産者さんからは「色々試してみたけど、何をやってもダメな畑がある…」「もっと品質を上げたいのだけれど、どんな土づくりをしたらよいかを教えてほしい」といった、より具体的なご相談を頂きます。
「土づくりのアドバイス」というと、「まずは土壌分析を…」と考えられる方が多いのですが、分析前のヒアリングや現場観察で解決する事例も、実はたくさんあります。
野菜生産者さんから、「ここのところ、連作障害が多く発生してしまって…」というお話がありました。何かの成分が偏ってしまってるのかな?と思いながら実際に現地で観察してみると、連作障害ではなく、その年から新しく始めた冬場のべた掛け管理による湿害の影響だった、という事もありました。
当然のことながら、作物の生育には、土だけでなく、圃場の置かれた環境や、どんな管理をしているかも大きく影響します。土づくりを考える際には、こういったポイントも併せて確認することがとても大切です。
次回は、実際にどのように栽培管理、土づくりを考えたらよいかをご紹介させて頂きます!また、今後は減肥を実現する施肥設計等についても紹介する予定です。
シリーズ『相談事例に学ぶ!栽培管理と土づくり』のコラムはこちら
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
会員登録をすると全てのコラム・基礎知識・農業一問一答が無料で読めます。無料会員登録はコチラ!
執筆者の株式会社Agrieeに経営アシストチャットで相談ができます。お気軽にご相談ください。詳しくはコチラ!
公開日