（三菱UFJニコス株式会社）
ロボット技術やICT、農業データを活用して生産性の向上、作業の省力化などを図るスマート農業は、さまざまな農家の経営の効率化に役立っています。農家が直面する人手不足や事業承継といった課題の解決にも役立つことから、農業経営のスマート化を進める農家も増えてきました。
農業経営のスマート化といっても、その取り組みはさまざまです。ここでは、農林水産省のWEBサイト「農業DXの取組事例」で紹介されている、生産計画や栽培管理、流通といったさまざまな分野での事例を解説します。
農業経営分析支援ソフトを活用した精度の高い生産計画の策定
スマート農業によって精度の高い生産計画を立て、経営の安定化に役立てている事例があります。
農作物を安定供給できる生産体制の構築には、精度の高い生産計画が欠かせません。
野菜の生産・加工・販売を営んでいる企業では、生産計画の精度向上のために、農業経営分析支援ソフトを導入しました。自社で蓄積してきた圃場ごとの生産データや気象予報、市況データなどを組み合わせてソフトで分析し、生産・販売実績の分析や収量・相場の予測を行い、最適な生産計画の立案に役立てています。
また、農業経営の状況がソフト上で確認できるようになると、従業員の業務にも良い影響がありました。自身の仕事によって経営に与える影響が、農業経営分析支援ソフトによってわかりやすくなり、社員一人ひとりの業務への理解が進み、やる気や能力の向上にもつながっています。
■ 農業経営分析支援ソフトによる従業員の能力向上のイメージ
AI診断アプリによる病害虫対策
AIを活用した病害虫雑草診断アプリによって病害虫や病気の診断、対策を行い、生産性向上に役立てた事例も紹介されています。
1人で水稲、ネギを栽培している農家では、就農から間もない時期に、農作物の病害虫に関する判断が正しいのか不安になっていたところ、アプリを使うことで自信を持って判断して対処できるようになりました。
その結果、圃場の観察の習慣ができたり、ほかの農作業に集中できるようになったりして、生産性の向上策を考える時間を増やせるようになっています。
■ AI診断アプリによる効果のイメージ
ITセンサーを活用した温度管理の効率化
ITセンサーを活用して温度管理を行い、生産を効率化した事例もあります。
イチゴのハウス栽培を行っている農家では、就農後、不足している知識や経験を補って技術を向上するために、温度記録センサーやデータを抽出して分析できるモニタリング機器を導入しました。
これらの機器の導入により、環境が変化した際にすぐに通知されるようになり、圃場に確認しに行って迅速に対応できるようになっています。気象予報などではわからない局地的な変化があった場合に、経験や勘がなくても失敗を防げるようになりました。
■ ITセンサーによる効果のイメージ
スマートフォンアプリによる生産記録・農薬散布管理
農業の生産記録や農薬の散布履歴を、スマートフォンアプリで管理している事例もあります。
トマトなどの野菜を栽培する農家では、作業記録をパソコンで管理して栽培管理に活用しようとしていましたが、パソコンでは時間が経ってから記録を入力することになるため、記録忘れなどが発生してしまう点が課題でした。
そこで、農作業を記録できるスマートフォンアプリを導入したところ、作業中にその場で記録できるようになり、記録漏れが減り、精度の高いデータが収集できるようになっています。また、農薬の使用回数をアプリ上で管理することにより、うっかりミスで農薬の使用ルールを超えた回数を使用してしまうリスクもなくなりました。
■ スマートフォンアプリによる記録管理の効果のイメージ
販売・流通へのオンラインサービスの活用
地域で野菜を効率的に流通させるために、農家と消費者を直接結びつけるオンラインサービスを活用している事例もあります。
静岡県の野菜農家では、栽培する野菜の品質を発信できる点に魅力を感じ、野菜を直接消費者に販売できるオンラインサービスの利用を始め、販路の拡大に成功しました。
このオンラインサービスは、購入者のスマートフォンなどからインターネットを通じて野菜が注文されると、注文を受けた農家が最寄りの農協（JA）の施設や青果店などに注文された野菜を持ち込み、当日中に巡回冷蔵トラックで購入者に運ばれる仕組みです。また、販売価格は、農家側で決定します。
これにより、迅速に、適正な価格で、良い野菜を購入者に届けられるようになり、新たな顧客を獲得できるようになりました。
■ オンラインの販売・流通サービスの効果
農業のスマート化にはクレジットカードがあると便利
農業のスマート化で、管理システムなどのクラウドサービスやアプリを利用する際は、一部無料のアプリを除けば、継続的な支払いが必要になります。その場合、事業経費支払い用のクレジットカード（ビジネスカード）があると便利です。
決済手段としてビジネスカードを設定しておけば、払い忘れがなく、利用額に応じたポイントも貯められます。また、事業用の費用の支払いをビジネスカードに一本化することで、取引履歴の管理や記帳が簡単になり、確定申告時の手間が少なくなるといったメリットもあります。
農業のスマート化に向けて、農家向けのビジネスカードを活用しよう
農業のスマート化を進める上で、クラウドサービスやアプリを利用する場合、クレジットカードがあると便利です。
クレジットカードの中でも、プライベートの支出と切り分けて農業に関する支出だけを一元管理するためには、ビジネスカードを活用することをおすすめします。
ビジネスカードは、さまざまなクレジットカード会社から提供されていますが、農家の方向けのビジネスカードとしておすすめなのが「JAビジネスカード」です。ソリマチが提供する農業に特化した会計ソフト「農業簿記」との連携も可能なカードで、「BizPay 請求書カード払い」によってカード払いを受け付けていない販売店でもカード払いが利用できます。ぜひご検討ください。
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