(株式会社ウェザーマップ 寺本卓也)
こんにちは。農てんき予報士の寺本卓也です。
先月は長期寒波が連日テレビやネットで取り上げられました。北陸など日本海側を中心に大雪となった一方で、気象庁は先月22日全く真逆の「少雨に関する気象情報」を発表しました。雪が降っていない東日本太平洋側・西日本では、去年の秋から雨が降っておらず、今後も乾燥が続く見込みと言っています。
気候が地域によって全く異なる状況となっており、今月は地方ごとに農作業が大きく変わりそうです。今回も日々忙しい農家の皆さまに役立つ最新の気象情報をわかりやすくお届けします。ぜひ最後までお付き合い下さい。では、農てんき予報スタートです。
冬の寒さ越え、少しずつ春の兆し
まずは先月29日気象庁発表の1か月予報(平均気温)を見てみましょう。全国的に平年並みとなっています(画面表示は白色)。

さて平年並みとはどう言う事でしょうか。2月は気象学的には冬の終わりです。東京の平年の2月を例にすると、2月1日の最高気温の平年値は10℃、2月28日になると12℃と上昇します。冬の厳しい寒さが日に日に和らぐのが2月です。
とはいえ、まだまだ急に冷え込み大雪となるのも2月です。「気温が上がっていくから寒波はもう来ないね。やったー。」という事ではありませんのでお気をつけ下さい。
2月も空気カラカラ予想
気象庁発表の1か月予報(降水量)も見てみましょう。東日本から西日本を中心に雨が少ない予想(表示は茶色)となっています。

この地域は晴れの日が多く乾燥がまだまだ続く事を示しています。コラム冒頭で記録的少雨のお話をした通り、乾燥が深刻な地域ではすでに野菜の生育不良が発生しています。これから種まきをされるという方も多いかと思います。今後も土が乾き過ぎて発芽しないなどの影響が出てくるかもしれません。
今月は雨が降る日はとても貴重となります。農作物の生育遅れなどの影響を意識しつつ、灌水のタイミングや、土の中の水分を逃さない工夫なども考えていく必要がありそうです。
今月6日は大雨か、恵みの雨か
1か月全体では乾燥傾向かもしれませんが、やはり全く雨が降らない訳ではなさそうです。最新のスーパーコンピューターの計算では、6日頃に本州へ低気圧が進み広く雨の予想が出ています。気を付けたいのは黄色い表示です。局地的には大雨になるかもしれないため、雨の降り方には注意が必要です。

しかしながら、農家にとってまとまった雨は土を潤すまさに恵みの雨でもあります。2月に雨が降るタイミングはそうそう多くありません。この6日の雨が皆さんの地域にどれくらい降るか、ぜひ最新の予想をチェックして作業の計画や、また水の管理など計画にあてられて頂けたらなと思います。
16日予報
ウェザーマップ独自の16日予報を見てみると、東京の7日が曇りマーク。雨が降るか降らないか微妙ですね。その先もやはり晴れマークが目立ちます。気温のアップダウンもやはり大きくなりそうです。

南岸低気圧に注意
また2月は例年、南岸低気圧が来やすい時期です。南岸低気圧とは、日本の本州の南岸を沿うように進む低気圧の事で太平洋側の地域に雨や雪をもたらします。2024年2月5日、日本に南岸低気圧がやってきて、関東甲信地方中心に大雪となり、東京都心で積雪8センチを記録。大雪警報も発表されました。
1か月予報では、今月は全国的に少雨傾向です。とは言え、全く雨や雪が降らないというのは考えづらいです。数年に1度と頻度こそ少ないですが2月に南岸低気圧で太平洋側が大雪になる事があります。念のため頭の片隅に入れておきましょう。

3月も雨量少なめか
今回はもう少し先まで見ていきます。気象庁の長期予報では3月の降水量も発表されています。全国的に平年並みです(表示 白色)。

これでは、雨が降るのか降らないのか分かりづらいですね。ちなみに東京の3月の降水量合計平年値は116ミリ。春は少しずつ雨量が増えていく季節です。
今年の3月の予想をもう少し詳しく見ると東・西日本太平洋側の乾燥している地域にも雨は降りますが、いつもより降る量が少なく、晴れる日が多い可能性の方が若干高いとしています。全く降らない予想ではないですが、水の管理を大切にしていく必要がこの先も続きそうです。
3月は急に暖かく
気温はどうでしょうか。3月の平均気温の予想も見てみましょう。すると北・東日本で高く、西日本も平年並みか高い予想です。

3月に入ると一気に気温が上昇して暖かくなっていきそうです。この先の暖かさが野菜の生育を前進させる一方で、北日本では春先の急な冷え込みで遅霜が発生する可能性も考えられます。今後の気温の変化も注目していこうと思います。
暖かいのもNO天気か
私は毎週広島の青果市場に行き、広印広島青果株式会社社長の小山さんから最新の野菜の動向などのお話を伺っています。取材中、私は先ほど記述したように「春は急に暖かくなりそうですよ。」とお伝えしたところ「それだと、野菜の生育が前進してちょっと困るかもなー。産地リレーがうまくいかなくなるかも。」と返答がきました。
寒波があっても困るけど、急に暖かくなっても困るのが本当に農業の難しいところだなと感じます。そして、これから節分、ひなまつり需要が高まるのでと、大葉を紹介して頂きました。最近の大葉は品種改良で昔の物より本当に品質が良いと太鼓判を押されていました。

農てんきin名古屋
先月末、私は名古屋を訪れました。自分で言うのも変ですが、「農てんき予報」の講演をして欲しいという依頼を頂いたのです。本当にありがたいお話です。
今回は名古屋の都市部で農業をされている皆さんが対象との事でしたので、全編名古屋バージョンの構成です。名古屋で農業するにあたって心配な天災ランキング、ご自身でも荒天を予想できる力を養うという内容でした。

農てんき全国へ
講演の最後には、全国どこへでも駆けつけますので、お知り合いの方にもぜひおすすめして下さいと図々しくお願いし、さらにアグリウェブの本連載にも触れています。来月は春の天気だけでなく、早くも暖候期予報(夏の天気の傾向)について詳しくお伝えしていこうと思います。ぜひ楽しみにしていてください。
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