(株式会社ウェザーマップ 寺本卓也)
こんにちは。気象予報士の寺本卓也です。厳しい暑さが続いていますが、皆さん体調はいかかでしょうか。
先月28日、熊本では大きな地震が発生しました。被災された皆様、そして農作物や施設など影響を受けた生産者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
農業は、天気の恩恵を受ける一方で、さまざまな気象リスクと向き合う仕事でもあります。この農てんきコラムは、日々の農作業に役立つ天気の情報をわかりやすくお伝えしています。
今月も酷暑や、ゲリラ雷雨、台風など天気に油断できない状況が続きそうです。空の変化を先読みしながら、大切な農作物を守っていきましょう。
今月も台風に注意
まずは台風13号の情報です。この台風が日本列島に近づくかどうか、地震の被災地にも影響が出てくる可能性があるため注目されています。
7月31日現在、気象庁のスーパーコンピュータの計算で見てみると、大きく丸い活発な雨雲が日本に近づいてきています。被災地である熊本にも雨雲がかかる計算のため、地盤が緩んでいる地域で土砂災害のおそれも考えられます。
とはいえ、これは沢山あるシミュレーションの中の一つで、日本には雨雲がかからず中国大陸に進むような計算もありハッキリとは予想が定まっていません。まだまだ予想が大きく変わる可能性は十分あります。台風の動きは日々変わるので、常に最新の台風情報を確認することが大切です。
この夏は台風発生しやすいか
この夏は日本に台風が来やすくなっているのかもしれません。こちらは、日本のまわりの海面水温の図です。

日本から南東(図の右下)が赤いですよね。このあたりの海面水温がいつもの年より暖かくなっていて、聞いた事あるかもしれませんが、これを「エルニーニョ現象」と言います。
「海の温度が高いとなにか問題あるの?」と思われるかもしれません。実は、海の温度が高いと、台風ができやすいのです。なぜかというと、海の温度が高いと台風のエネルギーの素となる水蒸気が沢山供給されるためです。
台風13号は、まさにこの暖かい海の上で発生しました。今月も突発的に発生する台風には注意が必要です。
西はカラカラ・東は雨多く
さて、突発的に台風の発生が心配であるなか、雨不足でカラカラな所が出てきています。先月1か月(7月1日〜30日)の降水量平年比を見てみると、西日本を中心に平年を下回り、なかには20%以下と全然雨が降っていない状態の所があります。

一方で東の地域の降水量は100%以上と雨量が多く、先月は西と東で天候が真っ二つに分かれました。西日本は早いうちから夏の晴れと暑さをもたらす高気圧に覆われ梅雨明けしましたが、今年は北日本に梅雨前線がとどまりしつこく雨が降りました。
酷暑は野菜も耐えられない
晴れた所では熱がたまり、三重、愛知、岐阜、静岡などで40℃以上の「酷暑日」が観測されました。暑すぎですよね。昔はもっと昼間も耐えられる暑さで、夜は比較的涼しかったですよね。そう思っているのは、野菜達も一緒かもしれません。
野菜・果実は日焼け、とろけが多発、スイカは実が爆発するなど被害が出ています。また、夜温も下がらないため、夏の野菜に生育遅れがでるなど影響が出ています。

8月も猛暑・酷暑
では今月の暑さはどうなるか1か月予報(平均気温)を見てみましょう。全国で平年より高い予想となっています。

すでにとてつもない暑さが続いていますが、恐ろしい事にこれからが暑さのピークとなりそうです。東海から西の地域では40℃以上の酷暑日というところも連日出てくる可能性があります。
今月は全国的に少雨か
一方で、8月の降水量はどうかも見てみましょう。

すでに西の地域は降水量が少なく、まとまった雨が欲しい所ですが、今月も平年並みか少ない予想です。西の地域は少雨が続く傾向といえそうです。野菜・果実の実が肥大する時期を迎える物も多く農作物の生育の影響は少なくないと考えられます。
一方で、東・北日本はようやく晴れる日が多くなり、東北・北陸などの梅雨明けも間近です。こちらは生育前進傾向となりそうです。
被災地では酷暑が続く
ウェザーマップ独自の16日予想で、もう少し詳しく天気気温を見ていきます。

熊本では40℃以上の酷暑日が予想されるなど、外での作業が危険とされる暑さが続く見込みです。
一方でこれから梅雨明けを控える東北の山形でも、晴れる日が多くなり30℃以上の厳しい暑さとなりそうです。その他の地点を確認されたい方は、こちらをご活用下さい。
ゲリラ雷雨は今月も多い
また先月は、各地で連日猛暑となるなか、局地的雷雨も発生しました。この二つは、いわばセットです。
日中地上が暖められると、熱くなった空気がどんどん上昇し上空で冷やされ水滴となり活発な雷雲が発生します。いつどこで起きてもおかしくないのでゲリラ雷雨なんて報道されますね。今月も猛暑の予想なので、雷雨も間違いなく連日各地で発生するでしょう。
気象庁HPの雷ナウキャストは、1時間先までの雷雲の動きを無料で確認する事ができます。また、皆さんお持ちの方も多いと思いますが、スマートフォンアプリでは雨雲の動きを知らせてくれるサービスもあります。

今年は秋の訪れ早く
最後に、もう少し先、今年の秋がどうなるかも見てみましょう。

気象庁は長期予報(平均気温)で一足先の秋の傾向を発表しています。すると9月は全国的に平年並みです。「9月になると暑さが落ち着き、朝晩は少しずつ涼しくなるかも。」というような予想です。
近年は9月も35℃以上の猛暑日、10月になっても30℃以上の真夏日が続出するという事が珍しくなくなっていました。秋の訪れが早くなるのは野菜の生育にも朗報ですね。
一方で10月の平均気温の予想は平年並みか高いとなっています。10月に入っても肌寒い日は少なく、暖かい日が多くなるのではないかという見込みです。

今月も各地で猛暑・酷暑が続き、熱中症の危険性が高まります。まずは皆様、無理をなさらず、ご自身のお体を第一に大切にしていただけたらと思います。
また先日、広印広島青果さんに「熊本の現状はどうですか?」と取材したところ、まさに次の冬春トマトの定植作業を開始するという所で被災し非常に辛い状況にあるという事でした。
熊本は全国でもトップクラスの農業県であり、私達の食を支える大切な産地です。私もテレビ派という番組で何度も熊本県産の野菜を紹介しました。今後も私にできる応援をしていけたらと思います。
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