(株式会社ウェザーマップ 寺本卓也)
こんにちは。気象予報士の寺本卓也です。
先月は千葉、石川・富山、北海道、福井などで相次ぐ豪雨となり、農作物・農業施設の被害は甚大となっています。一度雨が降り出せば災害が激甚化し、それが毎年のように繰り返されています。
そうした厳しい天候と向き合いながら、日々私達の食を支えてくれている農家の皆さん。本当に大変な事だと思います。
このコラムでは、農業に特化したわかりやすい最新の天気予報をお伝えしています。今月も「雨が降る時は一気に降る」が要注意ポイントとなりそうです。農家の皆さんが少しでも天気を味方につけられるよう、今月も「農てんき」情報をたっぷりお届けします。ぜひ最後までお付き合い下さい。
要注意の大雨パターンとは
まだまだ暑い日が続くためそう思わない方が多いかもしれませんが、季節はゆっくり進んでいます。こちらの天気図をご覧下さい。にょろにょろと長細い線が出てきました。秋雨前線です。

これは夏から秋へと季節が変わるタイミングで出てきます。先月27日は秋雨前線が本州にかかり、さらに台風18号から暖かく湿った空気が流れ込み、雨雲が発達。石川・富山で線状降水帯が発生しました。秋雨前線のみならシトシト雨で終わったかもしれません。
今月も台風と秋雨前線がセットで天気図に出てくるような時は大雨への注意が必要となります。
台風は今月も大量発生か
先月は1か月の間に10個の台風が発生しました。これは1960年、1966年に並ぶ観測史上1位の多さで、今年は台風が大量発生しています。

なぜかと言うと、日本近くの海が平年に比べとにかく暖かい事が一つの要因です。海が暖かいと、雨雲の素となる水蒸気が大量に供給されるため、台風が発生しやすい訳です。そして、今月も海が平年よりかなり暖かい状況が続く予想のため、まだまだ台風が発生しやすい状況といえます。
農家の皆さんにとって、まとまった雨は欲しいものの、一気に降る大雨は本当に困ります。
台風襲来か
そして、まさか。という状況です。今月早々に早くも台風が襲来する可能生が出ています。8月31日時点の気象庁のスーパーコンピュータでは、新たな台風が発生し今月初めに早くも列島に直撃する計算です。

台風本体の活発な雨雲に加え、日本付近には先月大雨をもたらした秋雨前線が居座り、日本列島は大雨・暴風など再び荒れた天気となるおそれが出てきています。今の所、九州は鹿児島、熊本、宮崎、大分、四国全域、近畿、東海、北陸、関東あたりに活発な雨雲がかかる計算です。
台風、秋雨前線の移動や発達具合によって降る量、降る地域が変わったり、むしろ全く降らないという可能生もあります。今後の動きに要注意と言えそうです。
8月もカラカラ、西日本は深刻な雨不足
先月は各地で災害級の大雨となったイメージがありますが、1か月間の雨量を見てみると、西日本はほとんど雨が降っていません。土はカラカラな状況となりかなり深刻です。

実際に農家さんに話を聞くと九州など冬春に向けての野菜の定植時期ですが、干ばつや猛暑ですでに遅れが出ていますし、瀬戸内の柑橘類は実が大きくなる時期なのに雨が降らなくて困っていると苦しい胸の内を話して下さいました。
まとまった雨は期待薄く
コラム前半で台風が今月もやって来るかもという話をしました。では台風を抜きにした今後の天気の傾向はどうか、気象庁発表の1か月予報(降水量)を見ていきます。

すると「西日本は今月も雨が少ない」、「北日本は少し雨量が多くなる」可能生が高いとなっています。そのため、秋雨前線は東北付近に居座るなどして、西日本では農作物の生育に適したシトシトゆっくり降る雨は今月もあまり期待できないかもしれません。
私がこんな事を言うのは、大変不謹慎かと思いますが、台風にはもちろん最大限の警戒が必要です。一方で直撃を免れる地域は水不足を和らげる貴重な機会にもなります。
近年は天候が本当に極端です。渇水解消のために最新の台風の予想を見極め、少ない雨の機会を活かしていく事は、もしかしたら今後農業に求められる要素になっていくのかもしれません。
9月も暑い
先月9月に入ったら次第に涼しくなるとお伝えしましたが、最新の予想では今月も平年より気温が高い予想です。申し訳ない気持ちでいっぱいです。

とは言え、さすがにこれまでのように各地で日中35℃以上の猛暑日が連日続くという事はないかなとは思います。今月上旬は西日本で35℃以上と言うところも、中旬頃には30℃程度、東・北日本では30℃を下回る日が多くなってくるという見込みです。
16日予想
ウェザーマップ独自の福岡の16日予想です。32℃前後と少しずつ暑さのトーンは下がって行く見込みです。それでも平年よりは気温が高めですね。
また夜温も高めの状況が続きます。まだまだ農作物の生育にとって厳しい状況が続く見込みです。

また、12、13日の雨マークですが、こちらも台風の可能性が出ています。しかしながら、まだまだ予想の確度は高くありません。今月は突発的な雨に気が抜けない状況が続きそうです。
世界王者も大絶賛のブドウ
私は毎週、広島テレビの情報番組テレビ派で、旬の野菜や果物を紹介しています。
先日はなんとスタジオに、ボクシングWBA世界バンタム級王者の増田陸選手が来て下さり、県内産のシャインマスカットをとても美味しいとPRしてくれました。増田選手は農業に興味を持っていらっしゃるそうで、シャインマスカットとの写真も快く応じて下さいました。本当にありがとうございました。

今月の天気は結局どうなる
最後に、気象庁の1か月予報では、西日本を中心に少雨傾向であるとお伝えしました。
しかしながら、個人的には経験上、この時期というのは日に日に天気予報が変わるため結果的に長期予報はさほど当たらない印象が強いです。女心と秋の空という言葉があるように、この時期の天候は本当に変わりやすいのです。
秋雨前線の動きや台風の進路によって晴れから一気に大荒れの天気となる事はよくあります。お伝えしているように今月は台風が来やすい状況な事を非常に危惧しています。急な大雨への備えは頭の片隅に置いておきたいところです。
「降る時は一気に降る。」そんな秋の天気の特徴を意識しながら日々の予報を確認しておくとよさそうです。
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