こんにちは!フィデスの久保京子です。
私は消費生活アドバイザーとして、消費者目線で考えるこれからの食ビジネスのヒントをお届けします。
さて、消費者の食品のネット購入実態を掘り下げるシリーズ、前回は世帯におけるネットショッピング支出状況を取り上げました。ネットショッピング全体の支出額に占める食品の割合は14%とまだ小さいものの、今後、更に利用が増えることが予想されることをお伝えしました。
今回は、消費者庁が2016年に実施した「食品のインターネット販売における情報提供の在り方に関する調査」より、食品をインタ-ネットで購入している消費者の属性や、購入頻度、利用ウェブサイト、購入品目等に関するデータを紹介していきます。
《調査のポイント》
- ネット購入者は未購入者より女性比率が高く、若年層がやや少ない
- ネットスーパーでは週1回以上利用する人が25%
- 購入時に利用するウェブサイトはPCサイトが9割、スマホサイトが3割
- 生鮮食品の購入率はネット販売利用頻度が高いほど、また、ネットスーパー利用者において高い傾向
ネット購入者は未購入者より女性比率が高く、若年層がやや少ない
食品のインターネット購?者の性構成は、男性48.0%、?性52.0%。未購?者では、男性58.1%、?性41.9%となっており、購入者の方が未購入者より女性比率が高い。
年代構成は、購?者では40代が21.1%、30代が17.9%、50代が17.0%などで、未購入者と比べて10代、20代、60代の割合がやや少ない。
【食品のインターネット購入者、未購入者の性別・年代】
ネットスーパーでは週1回以上利用する人が25%
インターネットでの食品の購入頻度は、週1回以上が13.1%、月1回以上では57.1%。
週1回以上利用する人が多いのはネットスーパーの利用者で(25.0%)、次に宅配が多い(16.1%)。
【食品をインターネットで購入する頻度】
(全体・利用業態)
購入時に利用するウェブサイトはPCサイトが9割、スマホサイトが3割
食品をインターネットで購入する際に利用するウェブサイトは、パソコンサイトが91.0%、スマートフォン専用サイトが29.3%。
スマートフォン専用サイトの利用率は、年代では30代以下(20代:48.3%、30代:47.5%)で高い。また、利用頻度が高いほど高くなっている。(週1回以上:40.7%、月1〜3回:32.9%、月1回未満:22.2%)。
【食品をインターネットで購入する際に利用しているウェブサイト】
(複数回答:全体・性別・年代・利用頻度・利用業態)
生鮮食品の購入率はネット販売利用頻度が高いほど、また、ネットスーパー利用者において高い傾向
食品のインターネット購入品目は、加??品が86.5%、生鮮?品が48.0%、贈答??品が28.0%であった。
利用頻度が高いほど?鮮?品の購入率が高い(週1回以上:77.7%、?1未満:34.5%)。逆に、贈答用食品の購入率は、利用頻度が低いほど高い(週1回以上:12.5%、月1未満:34.8%)。
利用業態別でみると、ネットスーパー利用者では生鮮?品の購?率が60.4%と、他業態に比べて高い。
【インターネット販売を利用して、よく購入する品目(生鮮食品、加工食品及び贈答用食品)】
(食品群から上位5つまで選択:全体・性別・年代・利用頻度・利用業態)
加工食品と生鮮食品とでは、インターネットで良く購入されているのは加工食品ですが、日常的に食品をインターネットで購入している人は、加工食品だけでなく生鮮食品の購入も多く、ネットスーパーの利用率が高い傾向にあることが分かりました。また、スマホ専用サイトからの購入も活発です。
食品のインターネット購入スタイルは消費者によって大きく異なる傾向があると言えます。
次回はさらに掘り下げて、食品をネット購入する理由や購入時に重視している情報などについて取り上げます。
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食品のインターネット販売における情報提供の在り方に関する調査(消費者)
(平成28年8月10日 消費者庁食品表示企画課)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/160810_shiryou1.pdf
調査概要:
調査手法
?Webモニター(一般の消費者)に向けた定量調査 (インターネット調査)
?ウェイトバック集計
調査対象
?インターネット販売を利用して食品を購入したことがある消費者(以下、購入者) :3,253サンプル
?インターネット販売を利用して食品を購入したことがない消費者(以下、未購入者):3,129サンプル
回収期間
?2016年6月24日(金)〜 同月30日(木)
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