こんにちは!フィデスの久保京子です。
私は消費生活アドバイザーとして、消費者目線で考えるこれからの食ビジネスのヒントをお届けします。
さて、消費者の食品のネット購入実態を掘り下げるシリーズ、前回は消費者庁「食品のインターネット販売における情報提供の在り方に関する調査」より、食品のインタ-ネット購入者の属性や、購入頻度、利用ウェブサイト、購入品目等について取り上げました。その結果、食品のネット購入スタイルは消費者によって大きく異なる傾向があることをお伝えしました。
今回は、消費者庁の同調査より、食品のネット購入理由、重視する情報、購入サイト選定理由、失敗経験等に関するデータを紹介しながら、実店舗とは異なるインターネット販売ならではの、消費者に求められる情報提供について取り上げます。
《調査のポイント》
- 食品のネット購入理由、購入サイト選定理由は、利用頻度及び利用業態別で異なる
- 食品をネットで購?しない理由は、「店舗に買物に行けば足りるから」が7割
- 商品購?時に重視する情報は「価格」や「商品の内容(商品説明や商品画像)」
- ネット購入での失敗経験ありは57%。失敗経験で多いのは、「内容量の不?致」が3割
- 消費者はインターネット販売の特性を補う情報を求めている
利用頻度及び利用業態別で異なる食品のネット購入理由
食品をインターネットで購入する理由の上位3つは、「重い荷物を運ぶのが?変であるため」(45.7%)、「安いため」(39.5%)、「インターネットでしか販売していない?品であるため」(39.0%)となっている。
ただし、利?頻度及び利?業態別で顕著な違いが?られた。
利?頻度においては、週1回以上の利用者では、「重い荷物を運ぶのが大変」(64.6%)、「買物に費やす時間を節約」(53.1%)、「買物に行けないため」(17.8%)が平均を大きく上回り、「安いため」(28.6%)は低い。
一方、月1回未満の利用者では、「重い荷物を運ぶのが大変」(29.7%)、「買物に費やす時間を節約」(16.9%)が、他の利用頻度層より低い。
利用業態においては、「ネットスーパー」では「重い荷物を運ぶのが大変」(63.1%)、「買物に費やす時間を節約」(42.0%)が他の業態より突出して高く、「インターネットでしか販売していない?品」が(23.3%)、「安いため」(30.6%)は低い。
逆に、「お取り寄せ」では、「インターネットでしか販売していない食品」(50.9%)で高く、「重い荷物を運ぶのが大変」(30.2%)、「安いため」(31.3%)「買物に費やす時間を節約」(18.9%)は低くなっている。
「ネットモール」では、「安いため」(55.9%)が突出して高い。
【食品をインターネットで購?する理由】
(複数回答:全体・利用頻度・利用業態)
利用業態について:
宅配:実際の店舗を構えず、通信販売でのみ販売する業態のもの。
ネットスーパー:実際の店舗を構えている小売業者が、インターネット上でも販売を行っ ている業態のもの。
お取り寄せ:食品を生産、製造又は加工する事業者が、インターネット上で中間流通業者を介さずに販売を行う業態のもの。
ネットモール:運営者がインターネット上の一つのサイトに、複数の出店者を募って販売 させる仮想市場のこと。
食品をネットで購?しない理由は、「店舗に買物に行けば足りるから」が7割
食品をインターネットで購入しない者について、購入しない理由の上位3つは、「店舗に買物に行けば足りるから」(69.3%)、「きちんとしたものが届くか心配だから」(31.7%)、「不在がちで宅配を受け取るのが大変だから/食品は宅配ボックスに?れてくれないから」(23.8%)。
「義務表示事項に係る情報が確認できないから」は9.5%に留まる。
【食品をインターネットで購?しない理由】
(複数回答:全体・性別・年代)
商品購入時に重視する情報は「価格」や「商品の内容(商品説明や商品画像)」
商品購?時に重視する情報の上位3つは、「価格」(70.0%)、次いで「商品の内容(商品説明や商品画像)」(56.4%)、「メーカー/ブランド」(19.2%)。
週1回以上の利用者では、「価格」(59.1%)が平均を大きく下回り、「義務表示事項に係る情報」は15.4%(回答者全体平均 8.4%)と、全体よりも高い。
【食品をインターネットで購入する時に重視する情報】
(上位2つまで:全体・利用頻度)
「データで見る消費者の食品ネット購入実態(3)-2〜ネット購入理由、重視する情報、購入サイト選定理由、失敗経験の傾向と、求められる情報〜」に続きます
公開日