利用頻度及び利用業態別で異なる食品購入サイト選定理由
購入サイト選定理由について、全体では、「価格や配送料が安いサイトを探して購入」(53.5%)、「購入する食品の用途(生活用、備蓄用、贈答用等)に合わせているから」(30.0%)が高くなっている。
ただし、ネット購入理由同様、利⽤頻度及び利⽤業態別で顕著な違いが見られた。
利⽤頻度別では、頻度が高いほど「一度に様々な物を購入できるから」(週1回以上の利⽤者:40.5%、月1回未満の利⽤者:17.8%)、「提供されている義務表⽰事項に係る情報量が多いから」(週1回以上の利⽤者:37.4%、月1回未満の利⽤者:15.9%)の項目が高い。「価格や配送料が安いサイト」については、週1回以上の利⽤者(38.0%)は低い。
利用業態では、「ネットモール」では、「価格や配送料が安いサイト」が(69.4%)高く、「お取り寄せ」では、「一度に様々な物を購入できるから」が(11.9%)低い。
【利用しているサイトを選んだ理由】
(複数回答:全体・利用頻度・利用業態)
ネット購入での失敗経験ありは57%。失敗経験で多いのは、「内容量の不⼀致」が3割
食品のインターネット購入で失敗経験がある者は56.7%。
失敗経験の上位3つは、「内容量の不一致(思っていたより多かった、少なかった等のイメージの不一致を含む)」(30.9%)、「写真と実物の不一致」(26.1%)、「消費期限が短かった」(14.8%)。
利⽤頻度別では、頻度が高いほど失敗経験者率が高い。「失敗した経験はない」 (週1回以上:24.4%、月1〜3回:38.6%、月1回未満:53.8%)。
【食品をインターネットで購入して失敗した経験】
(複数回答:全体・年代・利用頻度・利用業態)
今回の調査データより、インターネットで⾷品を購入する理由や態度は、購入頻度や利用業態によって顕著な違いがあることが明らかになりました。
週一回以上利用する層は、買い物に行く時間がない、買い物に行けないなど物理的制約を抱えていることが読み取れ、「安さ」や「ネットでしか販売していない」ということだけでなく、購入の利便性や食品表示などの情報量も重視していました。
消費者が求めるインターネット販売の特性を補う情報とは
実店舗とは異なるインターネット販売の特性として、実際に手に取って商品を確認することができず、 また、注文してから手元に届くまでに一定の時間を要することから、購入失敗経験の上位に、「内容量の不一致」、「写真と実物の不一致」、「消費期限が短かった」といった問題が起きています。
このような課題解決のために、実店舗の販売とインターネッ ト販売の購入環境の違いを補う、きめ細やかな情報提供が求められます。
今回調査より、以下のような消費者の声が上がっています。
【実際に届く商品とのギャップを埋めるために求める情報】
- 商品の概観を写した商品画像
- 商品パッケージの画像を掲載し、必要な情報を得られるようにしてほしい。
- 生鮮食品は、現物写真があるとよい。(お取り寄せ)
- 傷がある場合は、傷がどの程度のものなのかを示してほしい。(特に生鮮食品)
- 商品のサイズ(規格)
- 商品1個当たりの目安となる重量
- 生鮮食品などであれば、重量だけでなく、(箱に入っている)個数の情報も欲しい。
【アレルゲンの情報に関連したもの】
- 「アレルゲンを含んだ食品と同じ製造ラインで作っている」等の掲載があるよい。
【保存方法の情報に関連したもの】
- 開封後の保存方法(商品が長持ちする具体的な方法)を掲載してほしい。
- 配達時には、当該食品の保存方法どおりに届くかどうかの情報が欲しい。
- 生鮮食品は、収穫日等の情報があるとよい。(ネットスーパー)
- 製造年月日が掲載してあるとよい。
- 製造から何日もつかの情報があればよい。
【配送時間や配送方法を考慮するために求める情報】
- 注文から配達日までの期間
- 消費期限・賞味期限の代替情報として、一定期限を保証した商品を提供する旨の情報
- 配送時の保存・保管方法(冷凍、冷蔵など)
- 発送元の情報を掲載してほしい。
次回は、ネット販売では表示を義務付けられていない食品の義務表示事項について、消費者の確認状況と購入行動への影響について取り上げます。
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食品のインターネット販売における情報提供の在り方に関する調査(消費者)
(平成28年8月10日 消費者庁食品表示企画課)
http://www.caa.go.jp/foods/pdf/160810_shiryou1.pdf
調査概要:
調査手法
• Webモニター(一般の消費者)に向けた定量調査 (インターネット調査)
• ウェイトバック集計
調査対象
•インターネット販売を利用して食品を購入したことがある消費者(以下、購入者) :3,253サンプル
•インターネット販売を利用して食品を購入したことがない消費者(以下、未購入者):3,129サンプル
回収期間
•2016年6月24日(金)〜 同月30日(木)
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