はじめまして。株式会社キースタッフ 伊藤と申します。
今月より、6次産業化に関するコラム連載を担当します。株式会社キースタッフは、述べ5,000を超える農林水産業者や食品事業者や150を超える自治体、商工会、JAに、無添加で常温で日持ちする加工食品開発を核として、衛生管理・品質管理体制構築やデザイン・ブランド開発、販路開拓、さらには加工場施設整備や道の駅直売所の整備支援を行っている6次産業化支援を日本で最初に提供してきた業界のリーディングカンパニーです。
これまでの取り組み事例から、6次産業化に関するポイントを紹介します。
今回は、岩手県花巻市にある「かあちゃんハウスだぁすこ」の支援事業に関する取り組みを紹介します。
JAいわて花巻本店「かあちゃんハウスだぁすこ」
岩手県花巻市のJAいわて花巻本店の「かあちゃんハウスだぁすこ」は、全国に先駆けてJA運営の直売所に取り組み成功したところであり、常に来客や視察で賑わっています。その直売所内にかあちゃん食堂が運営されており、こちらも同様に来客の絶えない人気店です。
その現状に甘えることなく、絶えず革新して行こうとする情熱が、担当課長の心に灯り、そしてだぁすこのスタッフの心に伝播して行きました。
直売所には、地元農家出荷野菜や全国のJA直売所と連携して産地間交流品(北国では栽培できない柑橘類や北国ならではの農産物との交換交流など)を豊富に取り揃えているにも関わらず、これまでの食堂では、仕入れ品を多数活用し、いわゆる「普通の食堂メニュー」を出していました。
せっかく豊富な農畜水産物が食堂の真隣に並んでいるのに、食材としてメニューとリンクしていないのはもったいないですよね。
食堂メニューを食べて「これおいしい!」と思ったお客様が、メニューに使用した食材を隣の直売所で購入し、家庭のメニューに取り入れられる「再現性の高いメニュー」を展開していることが直売所・食堂のあるべき姿だと考えています。これにより、直売品と食堂メニューが相乗効果を発揮し、直売所の売上と利益は増えて行きます。
「かあちゃんハウスだぁすこ」という名前だけあり、食堂スタッフは「地域のかあちゃん」が日常の中で料理を提供しています。
JAいわて花巻の雑穀ドレッシング
今回の取り組みにより、花巻地域の日常で生産された食材や全国の連携地域の日常で生産している食材を使い「かあちゃん食堂」で日々食べられるようになりました。
本事業で新たに商品開発した雑穀ドレッシング3種類は「サラダメニュー」でかけ放題で試すことができます。加工品は調理することで、より売れるようになります。
また、JAいわて花巻のドレッシングは弊社の飲食店エクセレントローカル(東京)の日常にサラダメニューと共に登場します。
花巻地域の日常力を直売所で高め、磨き上げ、「食堂で健康力も家庭力も創造する新たな挑戦」を現場のみんなで共有して取り組んだのが、「かあちゃん食堂の週末デリカフェ」の展開です。
これにより、平日は食堂、週末はデリカフェとメリハリの効いた食堂展開ができるようになります。
デリカフェ オープン!
デリカフェデビューの日は、敢えて大々的な告知をせず、日常運営で実施致しました。
当日は100人を超えるお客様にお越し頂き、売上目標もクリアし、みんな充実感に溢れた良い笑顔で終わる事ができました。
スタッフのオペレーションも余力を残して終わることができました。これまでの食堂の日常の中に「デリカフェという非日常」を無理なく取り入れる事ができるようになったことから、日常と非日常の魅力を相互的に生み出せるようになりました。
今回のJAいわて花巻の支援事業は、「だぁすこ本店直売所食堂の改革」を弊社の元社員の日本食文化料理研究家のもりおかまりこ氏と、「だぁすこ沿岸店(大槌町)」の店舗経営強化支援をムクモト設計の椋本修平氏と事業アライアンスを組んで取り組んできました。
他にもたくさんの事業アライアンス先にお世話になりました。
「仕事」に終わりはありませんが、支援プログラム終了にあたって、関係各位に心から感謝致します。
圧倒的当事者意識を持って、徹底的に現場で伴走支援を展開し、価値を提供し続けるためには、想いを共有する協業パートナー、連携パートナーの存在が欠かせません。一緒により良い明日を創って参ります。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。
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