生産者のみなさまは、いい商品、美味しい商品を作れば、高い値段で売れると思っていませんか?
「こんなにいい商品を作っているのに何故、こんな値段でしか売れないのだろう?」「市場に出荷したけど、他の産地の商品よりどうして安いんだろう?」「市場の担当者は、なんでこんな値段でしか売ってくれないのだろう?」なんて不満を生産者のみなさまはお持ちだと思います。
そうなんです!そんな値段でしか売れない理由があるのです。自分で直接お客様に売ってみればよく分かります。そんな機会はなかなかありませんが。
産地の方が直接売りに行くとよく売れます。販促かけるので当たり前。一日だけなら全力で声も出せるし、試食も出せる。毎日、安定的に売れなければ、経営は成り立ちません。
物の値段を決めるのは誰でしょう?
生産者?市場の担当者?販売店のバイヤー?私は消費者であるお客様が決めると思っています。
私の経歴ですが、全国有数の売上を誇るデパチカの現場を経て、今年から約150年の歴史を持つ西洋料理の老舗で営業の責任者をしております。
20代の頃は、青果のバイヤーとして全農東京センターに早朝より3年間買い付けの仕事をしておりました。お客様と接する流通の最前線にいた経験を生かして今回のコラムを書かせていただきます。
※個人の感想です。という言葉が深夜のTVショッピングのお客様の声を紹介する際に入っております。便利な言葉なので私もあくまでの個人の意見ですと、初めに言わせていただきます。商売には様々なアプローチがありますので。
青果バイヤーの頃、何に気を付けて買っていたか。「いくらで売れるだろう?」ということです。
相場がどうあれ、付けた値段で売れなければ倉庫にしまわなきゃいけないので、面倒くさいし、鮮度が悪くなるからとやっつけちゃっていました。
なぜ、売れなかったのでしょう?
それは、お客様がその商品をその値段で買うことに納得しなかったということです。あんまり相場とかは、お客様には関係ないんですよね。
「バイヤーは、お客様の代わりに仕入れて手数料をもらうんだよ。」と当時青果売場を指導していただいた先生から教わった言葉は、今でも私の商売の原点になっています。
市場で仕入額100円の商品でも、お客様が100円だといえば100円で販売するしかないのです。
そんな時は、1ケースだけ買って冷蔵ケースに陳列して198円で販売する。つまり品ぞろえとして販売します。
相場が100円でも、売上を作るのであれば70円で仕入れる。すると20ケース位売れる。それで仕入れられなければ、販売しないだけ。
なぜ、そんなことがわかるのか。
何度も、大量に余らせたり。お客様と毎日接して話をし、自宅近所のスーパーに週に5軒くらい毎週行き続ける。そういう経験が蓄積すると何がいくらで、どれくらい売れるのかだんだん分かってきます。
スーパー巡りとネット通販は趣味でもあるので今でもよく分かります。
「じゃあどうすれば売れるの?」
同レベルの商品を生産しているのに自分の商品はなぜ安いの?
売れるにも理由があります。そう理由。理由がわからなれば、売れないです。
それでは宿題です。「自分の商品を3分間自慢してください」
自慢相手は市場の担当でも、一般消費者のどちらでもいいです。自慢した相手を納得させられれば、それが売れる第一歩だと思います。
あくまでも個人的な感想ですが、売れないことに不満を持っている人のほとんどの方は、自分の商品の自慢ができないことが多いです。
次回は、売れる理由についてお話したいと思います。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。
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