今回は、事業承継の計画を作っていなかった事例を紹介し、それを踏まえて、事業承継計画がない場合のリスクと計画の作成のポイントをご紹介させていただきます。
事業承継の事例
A社の経営者の年齢は63歳で、後継者は息子30歳。
すでに経営者の父親から後継者に会社を継ぐ意思を確認され、息子である後継者はなんとなく継ぐ意思を固めていました。
経営者は、後継者がいるから安心と思い、事業承継のことをあまり考えていませんでした。
顧問税理士に事業承継のことを話したことがありましたが、
「息子さんが継ぐなら安泰ですね。とりあえず、相続のことをいまから考えて準備しておきましょう。」
と言われ、相続もまだまだ先のことだからと思い、事業承継のことは頭の片隅に追いやっていました。
ところが先日、農業法人の会合の中で事業承継セミナーがあり、「事業承継計画を作っていますか?」という話になりました。
その時、はじめてその経営者は事業承継の準備をしていなかったことに気付いたのです。
もう、年齢も64歳。まだまだ元気といっても、何が起こるかわからない年齢です。
気持ちの中では、来年の65歳くらいで後継者が経営を引き継いでくれることをなんとなく考えていたのですが、それもあと1年・・・。
時間がないことに気づき、冷や汗がたらりと頬を伝うのでした。
よくある事業承継の準備に関する話ですが、
事業承継を計画的に進めていないとどんなリスクがあるでしょうか?
また、事業承継を計画するとき、どんなことを考える必要があるでしょうか?
解説
事業承継計画を立てて計画的に実行していかないとどのようなリスクがあるのか。
また、その事業承継計画はどのようなことを計画していくのか?ちょっと解説したいと思います。
■計画的に進めていないと、どのようなリスクがあるか?
事業承継計画を立てて計画的に実行していかないと、以下の3つのようなリスク考えられます。
①経営者が突然いなくなるリスク
経営者が突然病で倒れてしまうかもしれません。その時、事業承継に向けて計画を立てて準備をしっかりしていないと、成り行きで事業承継をすることになってしまい、やるべき準備をしないままに事業承継をすることになってしまいます。
②後継者の準備不足のリスク
後継者には経営者になるための準備期間が必要です。計画を立てて経営者になるための経験や学びをするなど準備をしておかなければならないのですが、経営者になってから勉強したり経験をすればいいと考えていると、どんな経営者になるべきなのか目標が見えず、結果として成り行き経営になってしまう可能性があります。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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