クラウドファンディングに必要な準備とは?
前回のコラムではクラウドファンディングの概要についてご説明しました。 今回のコラムでは実際にクラウドファンディングを始める際に大切な事前準備のポイントを5つご紹介します。
① 目標金額の設定
プロジェクトの成功のためには、適切な目標金額を設定することがポイントです。目標金額を設定する上で大切なことは3つあります。
1つ目は最低限必要な金額を算出することです。クラウドファンディングで集まった支援金額の全てがプロジェクトの資金に充てられるわけではありません。 リターンの制作・送料・プラットフォームへの手数料なども考慮に入れて最低限必要な金額を算出した上で目標金額を設計しましょう。
2つ目は共感・信用を得られる金額であるということです。 クラウドファンディングでは共感やプロジェクト実行者への信用が支援を集める上でのポイントになります。 現実的ではない金額や他力本願のように見えてしまうと大きなマイナスになります。 「ここまではなんとか自力で集められるが残りの部分を協力してもらいたい」など、プロジェクト実現のためのそれまでの努力を本文に記載するとともに、謙虚さが出て共感される金額かを客観的に確認しましょう。
3つ目はどれぐらい支援が入りそうかを事前に予想し、見込みのリストを作成することです。例えばCAMPFIREの平均支援単価は1万円前後なので、目標金額が30万円の場合には30人から支援を集める必要があります。 クラウドファンディングには「1/3の法則」と呼ばれるルールがあります。これは支援をしてくれる人の割合を表すものです。
- 友だちからの支援が1/3
- 友だちの友だちからの支援が1/3
- 知らない人からの支援が1/3
上記の割合になることが一般的だと言われています。 つまり目標金額が30万円の場合には最初の1/3の10万円は自分の周りのネットワークから自力で集める必要があります。 まずは周りの友だちや知人にプロジェクトを伝えて1/3を集められるかを検討し、どの人が支援してくれそうか見込みのリストを作成しましょう。
②募集期間の設定
目標金額を設定したら次にプロジェクトの募集期間を決めましょう。CAMPFIREでは1日〜80日の間で設定ができます。 通常30〜45日で設定されることが多くなっています。期間が長いからと言ってそれだけ支援が集まるとは限らないので、集中力を切らさずにプロジェクトに取り組める期間を設定しましょう。
③リターンの設定
購入型のクラウドファンディングでは、支援してくれた人に対して金額に応じたリターン(お返し)の設定が必要です。 リターンは3,000円程度の手頃な価格からプレミアムなリターンまで5〜20種類程度用意しましょう。 プロジェクトにもよりますが、CAMPFIREでの平均支援単価は1万円前後ですので、この価格帯に魅力的なリターンを設定することが大切です。
また、リターン毎に限定数(在庫数)を設定することができます。例えば限定数でお得なリターンを用意することで早期の支援を促したり、個数限定にすることで限定感を演出することもできます。
リターンは公開後に追加することもできるので支援が想定よりも集まらなかった場合などは新しいリターンを追加することができます。 ただし既に設定しているものと同じリターンや、先に支援した人が不利益になるようなリターンは追加できないため注意しましょう。
リターン例:
- 海産物・農産物などの詰め合わせセット
- 新しくオープンするお店のお食事券や会員権
- オリジナルのTシャツやタオル、ステッカーなどのノベルティ
- HPやお店などにお名前の記載
- オープニングパーティーへの招待
- お礼のメッセージや手紙
- お金や金券などの換金性の高いものはリターンに設定できません
④ページの準備
プロジェクトページはHTMLなどの知識がなくても、ブログを書くような感覚で作成することができます。 必要な素材はタイトル・画像・本文などで、動画を入れることもできます。
プロジェクトを作るときには何を実現したくて、何のために資金が必要なのか、わかりやすさを意識しながらあなたのストーリーを表現することが大切です。 また、文章ばかりが続くとなかなか読んでもらえません。画像とテキストの分量は6:4くらいがおすすめです。
出来上がったページはプロジェクト公開前に限定公開URLというものを発行することができます。 公開前に色々な人に見てもらって客観的なアドバイスをもらったり、CAMPFIREでは各プロジェクトに1人担当者がつくので担当にも相談してみたりしましょう。
⑤プロジェクトを広める
最後に大切なのがプロジェクトを広めるための準備です。
プロジェクトを広めるために大切な3つの手段があります。
1つ目はSNSの活用です。SNSの良い点は、簡単に情報発信ができて、それを拡散してもらえるところです。 クラウドファンディングはインターネット上で支援を集める仕組みなのでSNSとの相性が良く、よく使われている代表的なSNSとしてはTwitterやFacebook、Instagramなどがあります。 アカウントを持っていない場合には、無料で作れるのでこの機会に登録をしましょう。
情報発信を始めるタイミングは、公開の1週間以上前からがおすすめです。公開後に「始まりました!」と伝えるのではなく、公開前から「こんなことをやりたいと考えています」と広めることで、ワクワク感を伝えたり、支援者側も心やお金の準備をすることができ、いざスタートしたタイミングで勢いをつけることができます。 クラウドファンディングでは初日で目標金額の30%を集めると成功確率があがる傾向にありますので、スタートダッシュを大切にしましょう。
2つ目はリアルな活動でのPRです。SNSでの告知も大事ですが、実際にリアルな場所でプロジェクトへの思いを直接伝えることも大切です。プロジェクト公開前や期間中は積極的に飲み会やイベント・パーティーに参加して、クラウドファンディングに挑戦することを伝えていきましょう。 プロジェクト内容と支援方法などをまとめたチラシを作成し配布したり、イベント会場や飲食店に置かせてもらったりことも有効です。
3つ目はメディアへのアプローチです。プレスリリースを作成してメディアへ直接送ったり、プレスリリース配信サービスを利用しましょう。 メディアで紹介されることでプロジェクトの認知度を高め、より多くの支援を集めることができます。
CAMPFIREではValuePress!というプレスリリースの配信サービスと提携しており、無料でプレスリリースを配信することができます。さらに募集期間中にValuePress!からプレスリリースを無料・有料問わず1回以上配信し、そのプロジェクトが目標を達成した場合は、次回配信時にエコノミーコース1回(30,000円分)を無料で利用することができます。
このようにプロジェクトは事前の準備がとても重要で、成功の鍵を握っています。
クラウドファンディングに挑戦するときには万全の準備を行ってからプロジェクトに挑戦しましょう!
次回のコラムでは実際にプロジェクトに挑戦した方の事例をご紹介します。
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