「農業法人における採用のポイント」
〜人が集まり、活き活きと働き、成長する農業法人づくり〜
マーケットインの発想
「マーケットイン」という言葉を聞いたことがあると思います。
商品開発、生産、販売をする際に、市場や購買者など買い手の立場に立って考え、買い手が必要とするものを提供していくことを意味しています。
マーケットインの発想で考えると、求職者が会社を探す時に、「どのような情報を求めているのか」を求職者の立場に立って考え、求職者が必要とする情報を提供していくことになります。
今回のコラムでは、求職者へ提供する情報に、自社の魅力(強み・良さ)をどのようにアピールしていくかについて述べてまいります。
自社の魅力(強み・良さ)の抽出
求職者へ提供する情報を以下の1〜4に分類し、その中で、アピールすべき自社の魅力を抽出するポイントを例示します。
<自社魅力の抽出ポイント>
- 事業内容(会社および仕事の内容)
- 農畜産物
- 「安心、安全」な農畜産物
- 子供に安心して食べさせられる農畜産物
- 成分表示して優位性を強調した農畜産物
- 栽培生育方法
- 無農薬、有機、減農薬、無化学肥料栽培など
- 「土づくり」に重点を置いている
- 独自配合の飼料給餌、放し飼い、ストレスフリー
- 業務内容
- 農畜産物の成長が肌で感じられる
- 手づくりで丹精込めた加工品
- 直売所で消費者の顔(笑顔)が見える
- 会社概要
- 経営者の農業にかける「熱い想い」
- 代々継承して○○年(現社長は〇代目)
- 仕事の仕方
- 農業技術が習得できる(キャリアアップ)
- 自然(動物)に囲まれて仕事ができる
- 社員と協力(協働)して仕事をする
- 担当を任され、自分なりにチャレンジできる
- 農畜産物
- ビジョン(現状および将来ビジョン)
- 現状
- 業績が安定している
- 6次化に取り組んでいる
- 地域農業者との連携を深めている
- 将来ビジョン
- ビジョンが明確(今後○○に取り組んでいく)
- 規模を拡大していく(圃場拡大、牛舎増床など)
- 雇用者を増やしていく or 少数精鋭で取り組む
- 新しい機械設備を導入する
- 現状
- 組織体制(ヒト)
- 経営者像
- この道一筋○○年(〇〇農業技術の第一人者)
- 農業界では若い、何事にもアグレッシブに取り組む
- 就農して○年、農業の○○に魅力を感じて転職
- 社員像
- 意欲的な若手社員が多い
- 技術力の高いベテラン社員が多い(高齢者が活躍)
- 異業界出身者(転職者、農業初心者)が多い
- 組織風土(会社の雰囲気)
- 職場に活気がある
- コミュニケーションがよくとれている
- 先輩社員がていねいに指導してくれる
- 何でも気軽に相談できる
- 経営者像
- 待遇(雇用条件)
- 給与・賞与
- 給与が同業他社に比べて高い
- 昇給がある(年〇回)
- 賞与(年〇回)
- 労働時間
- 〇時〜○時(時間外=残業が少ない)
- 繁忙期は〇〜○時、農閑期は〇〜○時
- 勤務時間が柔軟である
- 朝は早いが、残業はない
- 休日・休暇
- 毎週○曜日
- 月間休日数:○日
- 「年末、年始休暇」「お盆休暇」
- 長期休暇(年間○日以上取得可)
- 育児休暇、介護休暇の取得
- その他
- 人事評価制度(がんばり度に応じて給与に反映)
- 退職金制度(安心して、長く働ける)
- 〇〇資格の取得を支援(支援制度あり)
- 研修が充実している
- 独立就農を支援
- 給与・賞与
「相手軸」で考える
上記をご覧になって、「こんなこと当たり前だよ」と
お感じになった方もいらっしゃるでしょう。
意外と、自身ではわかっているつもりでも把握できていないのが「自社の魅力」であると言えます。
冒頭に記しました「マーケットインの発想」、すなはち
「相手軸」で物事を考えるということが非常に大切です。
自社では当たり前のことでも、周囲から見ると「特別なこと」「手間をかけていること」「こだわりのあること」こそが、自社の魅力(強み・良さ)であると言えます。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。
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