こんにちは。インテージの玉木です。
夏の暑さも和らぎ(これを書いているタイミングは9月中旬です)、いよいよ秋本番の気候になってきました。 みなさんは、食欲の秋に食べたい食材は何でしょうか? 松茸や栗、鮭、柿など色々な食材が想像できるかと思います。今回はそんな秋の食卓事情をデータから見ていきたいと思います。
秋の高級食材「松茸」の食卓出現状況は?
秋食材の代表格である「松茸」。実際にどの程度の頻度で食卓に出現しているのでしょうか。インテージが調べている1260世帯の食卓調査「キッチンダイアリー」で確認してみました。
▼キッチンダイアリー(京浜+東海+京阪神)「松茸」のTI値
(京浜+東海+京阪神、20代〜70代 主家事担当者、全食卓(朝昼夜)、2017年1月-12月)
※TI値:1000食卓あたりに出現する回数
「松茸」のTI値は10月にピークを迎え、その頻度は5月や6月の10倍程度まで跳ね上がる、正に秋の食材であると言えますが、高級食材だけあって、ピーク時の10月でも1000食卓あたり0.3回と3000食卓に1回程度しか出現しない食材である事も同時に確認できます。
「松茸」はどんなメニューに使われているのか?
では、そんな「松茸」を材料にして実際にどのようなメニューが作られているのでしょうか。引き続き「キッチンダイアリー」で確認してみました。
▼キッチンダイアリー(京浜+東海+京阪神)「松茸」が使用されるメニュー比率(%)
(京浜+東海+京阪神、20代〜70代 主家事担当者、全食卓(朝昼夜)、2017年1月-12月)
※「松茸」を利用したメニュー=100%とした時の構成比
「松茸」が食卓に現れる際には、40%以上が「炊き込みご飯」で登場する事が確認できますが、ここ数年(2013年→2017年)で「炊き込みご飯」や「素焼き・塩焼き」のメニュー頻度は減少し、「すまし汁・吸い物・味噌汁」や「すき焼き」等のメニューが増加している事が確認できました。推察にはなりますが、「炊き込みご飯」や「素焼き・塩焼き」のように、松茸そのものの香りを最大限楽しむ嗜好から、松茸そのものと言うよりは「すき焼き」のようなメニューの中の一食材として活用する方向へシフトしているのかもしれません。
秋の定番魚「さんま」の食卓出現状況は?
秋の定番魚と言えば「さんま」。実際にどの程度の頻度で食卓に出現しているのでしょうか。「松茸」同様に「キッチンダイアリー」で確認してみました。
▼キッチンダイアリー(京浜+東海+京阪神)「さんま」のTI値
(京浜+東海+京阪神、20代〜70代 主家事担当者、全食卓(朝昼夜)、2017年1月-12月)
※TI値:1000食卓あたりに出現する回数
「さんま」のTI値も「松茸」同様に10月にピークを迎え、その出現頻度は1000食卓あたり10を超え、100食卓に1回は出現している事が確認できます。
「さんま」はどんなメニューに使われているのか?
では、そんな「さんま」を材料にして実際にどのようなメニューが作られているのでしょうか。「松茸」同様に「キッチンダイアリー」で確認してみました。
▼キッチンダイアリー(京浜+東海+京阪神)「さんま」が使用されるメニュー比率(%)
(京浜+東海+京阪神、20代〜70代 主家事担当者、全食卓(朝昼夜)、2017年1月-12月)
※「さんま」を利用したメニュー=100%とした時の構成比
「さんま」が食卓に現れる際には、8割近い確率で「塩焼き・素焼き」で登場する事が確認できます。5年前(2013年)と比較すると「干物焼き」の頻度が増え、「刺身・魚のたたき」の頻度が減少している事が見て取れます。これは(キッチンダイアリーのデータは”調理をした料理”になるため)、買ってきたサンマを包丁でさばく等の行為が減少している事を意味しています。働く女性の増加が続く中で、おいしい食材を届けるだけではなく、そのおいしい食材を”手間を掛けずに食べてもらえる”ような打ち手の重要性が、今後ますます高まっていくのではないでしょうか。
当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。
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