こんにちは。インテージの玉木です。
気象庁の発表によると、2018年7月の全国の日平均気温は28.3度と、2010年の28.0度以来の28度以上を記録したようです。私が住んでいる大阪は、なんと日平均気温が29.5度と灼熱の7月でした。
そんな記録的猛暑の7月。人々の購入行動はどうだったのでしょうか?
今回はそんな7月の購入実態について、インテージデータを使って確認してみました。
記録的猛暑の7月 どんなカテゴリーの購入が伸びたのか?
記録的猛暑となった2018年7月、人々はどのようなカテゴリーを購入したり、購入しなかったりしたのでしょうか?インテージが調べている全国5万人の購入実績データである「SCI(全国消費者パネル調査)」で確認してみました。
▼ SCI(全国 15-79才男女対象)2018年7月購入金額前年比(%)
※食品飲料に限定 ※月間購入率5%以上のカテゴリーに限定
連日ニュース等で熱中症対策が伝えられていた7月ですが、やはり「サイダー」や「スポーツドリンク」、「ミネラルウォーター」といった飲料カテゴリーは前年比110%以上の伸張となりました。一方で「インスタントコーヒー」や「日本茶」といった、飲料ではあるが、ホットで飲む事が多いカテゴリーは前年比マイナスである事が確認できます。また、「果汁飲料」や「コーラ」といった、飲み過ぎると糖分等を摂り過ぎてしまうようなカテゴリーも、”暑い中でたくさん水分を摂る必要がある”猛暑においては、伸び悩む傾向にあるのかもしれません。
飲料以外では「海苔」や「もずく・めかぶ」、「漬物」、「納豆」といった”ご飯のお供”のようなカテゴリーが大きく前年プラスとなっています。これは、ドレッシングの前年マイナスからも見えてきますが、異常気象の影響で、例年よりも高値が続いている野菜が多い中、その代替としての栄養補給の有効な手段として活用されているのではないでしょうか。
また菓子カテゴリーで唯一110%以上の伸びを示しているのは「キャンディ」です。これは、塩分補給ができる”塩飴”が大幅に伸びている事が一因となっていると確認できています。
キャンディの購入が伸びた年代は?
前章で「キャンディ」の好調を取り上げましたが、どの年代でプラスが大きかったのでしょうか。「キャンディ」よりプラス幅は小さいものの、暑いと購入が拡大する「アイスクリーム」と比較してみましょう。
▼ SCI(全国 15-79才男女対象)2018年7月購入金額前年比(%)
「キャンディ」はどの年代でも前年比100%以上の状況ですが、男性よりも女性の方が、どの年代でも相対的に前年を上回る購入をしていた事が確認できます。最も前年プラス幅が大きな女性10代(15〜19才)では、キャンディが「アイスクリーム」の前年プラス幅を上回ったのに対し、女性20代では「キャンディ」よりも「アイスクリーム」の前年プラス幅が上回っている事が確認できました。
また、男女共に40代は「キャンディ」の前年比が大きくプラスになっており、自分だけでなく家族のためにも、塩分などを補給できるキャンディを購入しているのではないかと想像できます。
70代女性は「キャンディ」の購入前年比が大きいのに対し、男性60代〜70代は「アイスクリーム」の前年比が他の年代よりも高い事が見えました。ひょっとすると、最も”暑いと冷たいものが食べたくなる”のは高齢男性なのかもしれませんね。(お孫さんに買ってあげるなどもあるかもしれませんが。。)
一言で猛暑対策と言っても、「暑さを和らげるために、冷たいものを飲んだり、食べる」人や、「熱中症などの症状対策のために、塩分などの栄養補給をする」人がいますので、その人に合った猛暑対策を提案する事ができれば、夏の売り場をもっと活性化することができるかもしれません。
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