やはり大掃除は重要
汚れにくく、清掃洗浄しやすくすれば、効率が上がり、安全になる。
そのためには、まずは大掃除だ。
大掃除すると、不要なものが無くなり、広くなり、その後の掃除がしやすくなる。
「未練倉庫」となっているのは、使わないけど一応置いておこう、といった未練物をすべて未練倉庫に入れてしまうことだ。
ただ「捨てろ」というと捨てないので、未練倉庫に入れても一年以内なら戻してもよい」ことにすると、どんどんすっきりする。
そして、常に使うものだけ、食品を直接製造している場所に置けば、製造効率も上がる。
洗剤を使って洗う
洗浄だが、食品を直接カットしたり加工したりしているエリアは洗剤を使って洗うことだ。
家庭でも、料理道具や食器は洗剤で洗うが、工場でも同じで、工場だからこそしっかり洗剤で洗わなければならない。
泡洗浄器というのがあり、希釈した洗剤を入れ、引き金を引くだけで微細な泡が吹き付けられる。20分ほど置いてから、そのまますすぐか、ブラシを併用して洗う。
水を使えない場所は、掃除機か、スチームクリーナーを使うとよい。
認証の場合、主たる製造機器や場所についての「手順書」が必要になる。
一人で工場を運営していることはなく、複数の人でやっているのだから、誰がやっても同じようにきれいになることが必要で、そのための手順書だ。写真を使ってコメントを入れたり、動画を使う方法もある。
製造機器や床、腰位置から下の壁は毎日の洗浄が必要だが、天井は年に一度程度でよい。
壁の腰位置から天井までは、工場の汚れ状態によって変わってくる。イカを大量に処理している工場ではイカ墨が壁にかなり高くまで飛んでしまうので毎日洗浄している。それほど汚れない工場では毎月一回の洗浄にしている。
清掃洗浄メンテナンスの頻度
清掃洗浄メンテンスの頻度は、基本的に4つに分けて、2つのチェックリストにする。
一つは、一週間分、一つは一年分。これで、前者で毎日と毎週、後者で毎月と年に何回かをチェックできる。温度計の精度確認や拭き取り検査の結果もこのチェックリストに入れれば一括して管理できる。
この頻度を決めたチェックリストは、認証で必要になる。
頻度の決め方だが、食品が直接触れるところ、製造機器は毎日になる。それ以外のところは、工場の状況によって決めていく。
頻度を決めるとき、毎週か毎月かわからないような場合、とりあえず毎月にして運用していき、それでは汚くなってだめだとなったら毎週にすればいい。
写真には生鮮冷蔵庫内も入っているが、キャスターに乗せて入れるようにすると、洗浄が簡単に出来る。工夫で運営を楽にする方法が見つかる。
清掃清浄をしっかりすれば防虫になる
防虫は虫の直接の混入だけでなく、入ってきた虫が内部発生にまでつながると工場内が大きく汚染されてしまう。
泡洗浄をすると、泡が床から排水経路まで毎日行くので、強力な防虫になる。
工場内で虫の発生源になる隅をなくし、隅を丁寧に清掃洗浄することでもかなりの防虫になる。
要するに、清掃洗浄をしっかりやることがそのまま防虫になるのだ。
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