農業関連の事例と成立のためのポイント
本コラムではこれまで2回に渡ってクラウドファンディングの基礎的な内容をお送りしてきましたが、第三回は農業関連の事例と成立のためのポイントをご紹介します。ぜひ、プロジェクトの検討にお役立てください。
なぜ事例を見るのか?
「事例を知る」ことのメリットとしてクラウドファンディングが「どういうことに使えるのか」ということがあります。一点お願いしたいことが、成立(未成立)事例を過大評価しないことです。理由は、多種多様なプロジェクトを見る限りプロジェクトが成立になるか未成立になるかどうかは個別的な問題が多分にあるからです。
このコラムでは、クラウドファンディング挑戦を考える人が関係者にクラウドファンディング活用を説得するということを念頭にあえて成立した事例を紹介します。ぜひ他の事例を調べてください。そして「なぜ、そのプロジェクトは成立(未成立)になったのか」一歩踏み込んで調べてみることをおすすめします。
クラウドファンディングは農業領域における新しい取り組みに向けて「声をあげる」ために有効
弊社が運営するCAMPIFREやFAAVOには農業ジャンルだけでも数千件を超える多種多様なプロジェクトが掲載されています。担い手の減少や消費者の嗜好の多様化を背景に、いま農業分野では新しいチャレンジの芽が生まれつつあることを認識しています。しかし、すべて網羅されているかというとまだ途上であるといえます。
プロジェクトの内容も、採れたものを加工して商品化・流通させる「6次化」と呼ばれる領域、農業用ドローンや各種センサー導入など生産手法の効率化等など、たくさんのトピックがあります。しかしながら、限りある資源のなかどれにどう取り組むべきかが課題です。
クラウドファンディングは、「声をあげて」市場の声を聞きながら、限られたリソースをどこに振り分けるか、自ら仕掛けていくマーケティング手法として活用ができると考えています。事例を作るのは新たなチャレンジを考えているみなさんがこれから作るものだと考えています。
農業関連事例のご紹介<商品開発>
本コラムでは「商品開発」「販路開拓」「設備導入」といった3つのカテゴリについてそれぞれ目的と具体的に何のための資金調達かを簡単に説明します。
<商品開発>
『幻の果物<<ポポー>>をみんなに食べてもらいたい!』(FAAVO)
https://faavo.jp/shimane/project/122
目的:ポポーを通じて島根県美郷町比之宮地域に住む300人の私たちの小さな村を知ってほしい。さらには、クラウドファンディングでの成功を通して、集楽に新しい風を吹き込みたい、そんな思いを形にするために行われたプロジェクトです。
何のための資金調達か?:幻の果物「ポポー」のジェラート加工費用の調達
農業関連事例のご紹介<販路開拓>
『透析患者も食べられる!?カリウムが通常の半分の『ドクターメロン』をご存知ですか?』(CAMPFIRE)
https://camp-fire.jp/projects/view/47038
目的:慢性腎不全などカリウム摂取制限がある人とその周囲の人がメロンを楽しめるように!という思いから開発がスタートした「ドクターメロン」を患者さんやその家族に届けて「食べたいのに食べられない、遠慮してしまう」といった悩みを解消したい!という想いで行われたプロジェクト。
何のための資金調達か?:「ドクターメロン」の設備投資と研究開発費を募る
(プロジェクトトップin)
公開日