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契約の基本

更新日

2019年08月13日

そもそも契約とは何か

契約とは、相対立する二つ以上の意思表示の合致によって成立する債権債務関係です。簡単にいうと「売ります」「買います」というように、「対」になった「意思」が「合致」することで、「物を引き渡して下さい」「お金を支払ってください」といった相手に対する権利や「物を引き渡さなければならない」「お金を支払わなければならない」という相手に対する義務が生まれるものが契約です。なお、中には必ずしも二者間ではなく三者間以上の契約(クレジット契約など)もあります。

契約書の要否と注意点

「意思」の「合致」つまり「合意」で権利義務が発生するものですから、口頭でも成立するのが原則です。しかし、細かな契約の条件などを明確にし、あとから「言った」「言わない」の争いごとになるのを防止するためなどに契約書を作ります。一方で、契約書を作るのは手間がかかることなどから、リスクが小さい場合には契約書を作らない場合もあります。

不動産売買などの高額の取引や、金銭貸借など金銭の支払いと返還(権利の行使と義務の履行)の間に時間差がある取引ではリスクが大きいため契約書を作ることが多いですが、コンビニエンスストアでジュース1本を買う場合には、金額も小さいですし、ジュースと代金とを同時に交換しますのでリスクが小さいため契約書は作らないというわけです。

もっとも、中には、性質上トラブルが起きることが多い類型の契約というものもあり、法律で「書面による合意でなければ契約が成立しない」旨が定められているものもあります(要式契約)。例えば、保証契約は「書面でしなければその効力を生じない」と民法に定められています。このほかにも、書面での契約でなくとも契約自体は成立するが、契約の重要な部分については書面で明示すべきことが法令で定められているものもあります。労働契約における労働条件などが典型例です。

また、「契約書」という表題で「第1条・・・」などと記載され両者が記名・押印する形式でなくとも、申込書・承諾書、注文書・注文請書など、対になった書面を当事者のそれぞれが発信し、お互いの意思の合致を確認する場合もあります。

「契約書」以外にも「合意書」「覚書」などの表題の文書がありますが、表題はあまり関係なく、内容として誰のどのような意思が表示されているかから、どのような権利義務が発生しているのかを見極めることが大切です。

契約の主体についての注意点

なお、「契約」は法律行為と呼ばれるもので、契約の主体(契約の当事者)には「権利能力」がある者しかなれません。生身の人間は(生まれたばかりの赤ちゃんでも)全員権利能力がありますが、団体は「法人格」がある者しか契約の主体にはなれません。株式会社などは法人格がありますが、任意団体は法人格がなく団体としては契約の主体にはなれません。

また、契約の主体となることができたとしても、契約を締結するためには「行為能力」が必要です。契約の締結のための(法律行為としての)意思表示は行為能力がある人しかできません。原則として未成年や、認知症などを患い「成年被後見人」となる審判を受けた人などは、法律行為としての意思表示ができず、法定代理人である親権者や成年後見人が代理で意思表示をすることになりますので、注意が必要です。

当該コンテンツは、「アグリビジネス・ソリューションズ株式会社」の分析・調査に基づき作成されております。

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