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税務調査事例

更新日

2019年10月22日
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個人経営の税務調査事例

過去の新聞報道によると、国税局の一斉税務調査によって100軒以上の米農家が所得税、消費税など計約9億6,000万円の申告漏れが指摘されました。1件あたりの金額はそれほど多くはないものの、同報道によれば、ネット通販や道の駅で消費者に米を直接売る農家が増え、農家の所得の把握が難しくなっている旨が記載されており、農家の調査を進める方針とのこと。

申告漏れの例として、次の事項が記載されています。

  • ネット通販や道の駅などの直売所で米を消費者に直接売った収入を除外
  • 会計帳簿自体を作っていない
  • わざと所得を少なくみせかける悪質な所得隠し
  • 実際の売上を記載した裏帳簿の発覚
  • 直販を助ける業者に売上を過少に記載した明細書を作ってもらい、申告に使用
  • 農地面積などから推計した収穫量や売上と実際の申告額に開き(故意に出荷量を低くみせかけて売上を圧縮)

法人経営の税務調査事例

税務調査の場面では、法人が支払う外注費は調査対象として要注意です。

外注費としての実態を確認する観点から、請求書等の確認に加え、実際に支払いが行われているかどうか、さらには、その支払った後に受けたキャッシュバックを帳簿外としていないかどうか確認が行われることもあります。実際に個人口座に入金されたキャッシュバックが発覚した事例もあります。

また、法人の役員または構成員等が行った農作業に関する支払いを外注費(作業委託費)としている場合、給与に該当するか疑義が生じます。

この区分は総合的に判断されますが、外注費の金額調整によって法人の利益調整が行われたという疑義のないよう予め契約書を締結し、金額の根拠を明らかにしておく必要があります。

外注費が給与認定されると、定期同額給与に該当しない可能性があるほか、給与所得の源泉徴収の対象となり、さらには消費税の仕入税額控除が不可とされます。

なお、農事組合法人が従事分量配当制を採用している場合は、作業日報等でその実態が確認されます。仮に従事分量配当が否認されることになると、損金不算入となるだけでなく、配当所得の源泉徴収の対象となり、さらには消費税の仕入税額控除が不可とされます。

この他、従事分量配当は法人税法上の"協同組合等"に該当する必要があるため、従事分量配当制の場合、役員や経理事務員としての業務を除き、組合員が事業に従事した対価を給与として支給しないよう注意してください。

困ったときの相談先の紹介

税務調査に当たり税理士の立ち合いがあると、税務面だけでなく精神面でも不安は減るものと思われます。

顧問税理士がいない場合でも、農業経営相談所や(一社)全国農業経営コンサルタント協会等から農業に詳しい税理士の紹介を受けることができます。

当該コンテンツは、「アグリビジネス・ソリューションズ株式会社」の分析・調査に基づき作成されております。

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