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自然災害
台風や豪雨・洪水などの自然災害によって、ハウスやパイプライン、スプリンクラーなどの圃場に設置された設備、畜舎、農産物の倉庫や加工場などの建物が損壊・倒壊するリスクがあります。
また、トラクターなどの農業用の機械が水没したり突風で飛ばされたりして、故障し使えなくなるおそれもあります。
台風や豪雨などが予想される場合には、できる限り被害を防ぐため、事前に、施設を補強したり、浸水防止のために土嚢等を積んだり、ビニールハウスのビニールを除去したりするなどの防止策を採ることが大切です。
火災
火災により農業用資産が消失してしまうリスクもあります。火災に遭ったのが賃貸施設である場合には、借主である農業者が貸主に対して責任を負わなければならない可能性もあります。
生産・加工施設等には、不要なものを置かないなど日頃から整理・整頓をすることや、消火器や火災報知器などを設置し、もしもの場合に初期消火ができるようにすること、必ず施錠するなど不審者の侵入を防止することなどの出火や火災拡大の防止策をしておくことが必要です。
盗難
自宅や事務所に保管していた金品が空き巣による盗難被害に遭うリスクもあります。人通りの少ない集落であっても外出時には施錠しましょう。
また、トラクターなどの農業用機械の盗難も発生しています。使わないときは機械の鍵自体を抜いておくことはもちろん、チェーンロックなどを利用しタイヤを物理的に固定することも有用です。機械を圃場に置いたままにせず、倉庫などに保管し、さらに倉庫を施錠することが望ましいでしょう。もしも盗難に遭ってしまったときに発見しやすくなるようGPS端末を付加設置することも考えられます。
盗難は連続して被害が発生することがありますので、もしも被害に遭ったり、不審者を見かけたりした場合には、すぐに警察や周囲に知らせるなどの一人一人の対応が、次の被害を防止する大切な役目を果たします。
着服・使い込み
事業を行う上では、残念ながら自社の役員や従業員による金銭の着服・使い込み、私的流用といった不正のリスクも否定できません。これらの行為をした者に対して経営者は、不当利得返還や損害賠償といった民事上の請求をすることや、横領罪や背任罪等として刑事告発することが考えられます。
不正の防止や早期発見のためには、入出金は2人以上で確認する、タイムリーに帳簿を付け現金などの現物や領収書等の帳票と突き合わせて齟齬が無いか確認する、滞留している売掛金や買掛金などがないか確認する、取引先と日常的にコミュニケーションをとるなど、複数人の目で客観的に不正の事実を浮かび上がらせるような業務フローを作り運用することが有用です。
被害による負担を最小限にするために
自然災害であっても、人為的なものであっても、生じた被害について他者から補償を受けることは現実的でない場合も多く、自社で金銭的・労力的負担を負って、その被害を回復させることになるのが実態でしょう。
被害による自社の負担を最小限にとどめられるよう保険に加入するなどの事前対策が望ましいでしょう。
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