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(埼玉県 『オギハラ園芸』 荻原 正裕)
農業を志した理由〜可能性を感じたから〜
実家は農業を営んでおり、私自身は埼玉農業大学校を卒業後、県内の種苗センターに就職いたしました。
種苗センターに就職した当時、農業の未来に懐疑的な声を多く耳にしていた気がします。しかし、種苗センターで約10年勤務し、いろいろな方と話をし、私が「就農」を決断するのに至ったのは、農業に可能性を感じられるようなことを目にしてきたからです。少し俗な話になりますが、きちんと売上を確保して高級車を所有している農業経営者にお会いしたことなどもあります。
農業と言うと稼げないとうイメージがあろうかと思いますが、そもそもそれはどの起業でも同じではないかと個人的には考えます。
そして、私は自らの理論を自分自身に実証するため、父の営む農業へと参画していったのです。
基礎は栽培であることは変わりない
さて、先に述べましたとおり、農業は事業ではあるのですが、その事業の基礎は栽培ということに変わりありません。安定生産する技術を持たないと経営は成り立たないためです。奮闘記ということで、例えば私が過去の自分に経験してこそ伝えたいのは、「腰を据えた栽培技術の習得に取り組んで良かった」ということです。
経験上、早く独立したいとう就農希望者の方は多いと思っていますし、周囲も認定農業者を増やしたいとの想いから早く認定しようと動くことがあると感じています。ですが、まずは自分で作りたいという気持ちや農業を盛り上げたいという関係機関・団体の想いを尊重するにしても、きちんと研修機会を設けた方がよく、具体的には最低一年間は研修を積んだ方が良いと自身の経験からお伝えいたします。
そして、後段で述べますが、腰を据えてその地域で研修を行ううえで見逃してはいけない栽培以外の効果もあり、一層私はそのように思うのです。
