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(岐阜県 『てらぼら農園』 桝本草平)
こんにちは。桝本草平と申します。
大学を卒業後、三重県伊賀市にある愛農学園農業高等学校にて公民科教諭 兼 農場(有機野菜部門)職員として7年間勤務。2020年夏に地元である岐阜県恵那市串原に家族(妻と子ども二人)でUターン移住し、てらぼら農園を始めました。
主に有機稲作、有機野菜の栽培と加工品製造・販売を行っています。その他、林業、狩猟、キャンプ場経営、串原地域観光ガイドなどにも携わりながら限界集落だからこそできる面白い暮らしの形の実現を目指しています。
補助金を受けないまま就農、を選択
最初の恵那市との相談で頂いた経営計画書のテンプレートをもとに自分の経営計画を作り、再度相談に行きました。ただ、より具体的にはなったものの相変わらずの「有機農業」という特殊な栽培にさらに加工品製造から販売まですべてセルフプロデュースしていくという経営計画でした。販売先が計画通りに確保できるのかは根拠が足りない部分もあり、行政としてはなかなか支援が難しかったのだと思います。振り返ってみれば予測数値をもとに説明しきれるほどの実力が自分に足りなかったのだとも思います。
「トマト農家であればこの地域は産地として販売先も技術支援もある。しっかりとした経営計画が作れるので支援できるよ」との勧めも頂きました。でも単純に農業がやりたかったわけでもないのと、トマト栽培への初期投資が自分的にはもったいないと感じていたので支援を受けるのは諦めることに。
自分としてはその時の経営計画があまりに無謀なものとは感じていなかったのでチャレンジしてみようと決意。妻もその気持ちを応援してくれたこともあり、新規就農の支援は受けないまま移住・就農という選択をしました。
1年後、実績報告をもとに再度相談
1年後、実績報告をもとに再度相談。
生産と販売先の確保が経営計画通りに進み、今後も生産・販売の拡大へ見通しのつく実績が評価されて新規就農支援を認めてもらえることになりました。就農支援金がもらえることはありがたいことではあります。
でも私にとっては自分のやりたいこと、実現したいことを確認できた良い機会となったことの方が重要だった気がします。
自分のやりたいことで経済的にも成り立たせる(時代を捉える)にはどうしたら良いのかを本気で考えるきっかけとなりました。最初の相談含め、壁になっていただいたことで結果的には自分の芯を強くしてくれたありがたい経験でした。その後も色々とサポートを頂いている行政には感謝しています。
行政という組織の仕組み上、良い悪いではなくて私のような新しい取り組みへの対応は苦手で、前例や見通しのつきやすいものが通りやすいというのはあると思います。担当者さんによっても対応が変わったりもします。
逆に支援がもらえるからと気軽に始めてしまったり、もらえやすい形に合わせて自分のやりたいこと、時代の流れを見誤まってしまうことにも注意が必要ではないかと思います。
