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(岐阜県 『てらぼら農園』 桝本草平)
こんにちは。桝本草平と申します。
京都精華大学人文学部を卒業後、愛農学園農業高等学校にて公民科教諭 兼 農場(有機野菜部門)職員として7年間勤務。2020年夏に地元である岐阜県恵那市串原に家族(妻と子ども二人)でUターン移住し、てらぼら農園を始めました。
主に有機稲作、有機野菜の栽培と加工品製造・販売を行っています。その他、林業、狩猟、キャンプ場経営、串原地域観光ガイドなどにも携わりながら限界集落だからこそできる面白い暮らしの形の実現を目指しています。
移住者の農地
移住者が最初に持てる農地は散々な場所であることが多い(日当たり悪い、水はけ悪い、僻地でやりにくい、など)。最初から良い条件の農地が確保できたとしたらめちゃくちゃラッキーです。悪条件での農地からスタートするということは、最初から応用問題を出題されているようなもの。大切なのは、低い目標設定のさらに下の結果になることを覚悟しておく。リスクの見える化を徹底する、想定外があることを想定しておくということです。
てらぼら農園の場合、とにかく日当たりと水はけの悪い田んぼが移住当初からの土地としてあります。そして、肥料を撒く際にトラクターがハマりました。ハマるかも?という事態を想定していたからハマったとしても引っ張りやすい車体の向きでしか入らないようにしていたことと、時間的余裕を確保するためにかなり早めに動き出していたことが奏功し、結果的には足場板を敷き、トラックとロープをつなぎ、引っ張ることで抜け出せたので良かったです。
圃場の日当たり改善のために向かい合う山の雑木処理に冬の1か月近く時間がかかったりもします。水はけ改善のための溝掘り&畔作りも何日もかけて少しずつ完成させる(最初の資金に余裕があればサッサと機械導入すれば良いだけの話ですが)などもあります。
そうした対応が必要になるとは全くの想定外でしたが、想定外に対応する時間と心の余裕を確保しておくことを前提にしていたために対応できた事例といえるかもしれません。こうした想定外の困難に直面しつつも自分なりの工夫で乗り越え、それが結果に繋がっていくというのは農家としての生きがいの一つなんだなと実感した経験と言えます。
前回のコラム
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