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(石川県『菜園生活 風来』西田栄喜)
一年間研修はしたけれど
屋号が決まり、必要なものを揃えたのはいいものの、畑は手をつけたばかり。1年間研修したとはいえ、キムチのメインである白菜は研修先で育てたこともなく、どのようにしようかと思っていました。そもそも白菜は冬の野菜というイメージもあったので春に育てられるかも分からないという状態。今のように検索サイトも充実しておらず情報は図書館に行き調べるを繰り返す日々。
そんな時に助けてもらったのが義兄。姉の嫁ぎ先は隣町の苗屋さんでした。よもや姉が結婚した時(私が就農すると決めた10年前)にはこのようなことになるとは思っていませんでした。義兄に春に向いた白菜の品種を教えてもらって種を取り寄せハウスの一部を借りて種まき。義兄には野菜全般で育てやすい品種を教えてもらい、苗づくりなど特に初期の頃は本当に救われました。
1週間休まず1日3回〜商品開発〜
ただ栽培はスタートしたものの、収穫できるまでに時間がかかるので、畑仕事と同時並行で市販の白菜を買ってきてキムチの試作づくりにいそしみました。
基本のレシピ はおふくろさんから教わったのですが、好みがあるので自分たちの世代に合うよう改良。私の両親の世代は「甘い」=「美味しい」というところがあり、おふくろさんのレシピでは桃の缶詰のシロップを入れたりしていました。私としては野菜の味を前面に出したいということで甘さを控え目にするように。
そうなると単純に糖類を抑えればいいわけではなく、バランスを考え全面見直し。納得いく味にするため試行錯誤を繰り返しました。でもこの試作に集中できた期間があったことは良かったと思います。よく「6次産業化するには商品開発をどのようにすればいいのでしょうか?」と訊かれることがあります。そんな時は「物によると思いますが、1週間休まず1日3回、それぞれ真剣に向き合い工夫して作れば商品になるぐらいはできます。」と答えています。
