公開日
(石川県『菜園生活 風来』西田栄喜)
起業初期の頃は毎週、月、水、金曜の午前中は配達。そして日曜は朝市。朝市ではおふくろさんから教えてもらったよもぎ団子を朝3時に起きて仕込み、5時から8時まで販売。そしていつも畑仕事に追われていました。
休みもないのに稼ぎもない。最初はそんなものだろうと当時は思っていましたが、欠けていたのは未来予測。サービス業の視点で農業を見るのは間違ってないと思ってましたが、何をどのくらい売ればいいという視点が日々の忙しさに考えることができず、栽培技術が上がればきっと上向きになると漠然としていました。
出会い
独立就農したのが4月。借金こそないものの稼ぎはほぼゼロの月が続きました。そんな時に紹介されたのが今の奥さん。話はトントン拍子に進み9月に結婚となりました。今思うとよく結婚してくれたなと思います。
奥さんからの約束は子どもができたら自分が仕事がやめられるぐらいの稼ぎがあるようになっててほしいということ。当時奥さんは大学病院の小児病棟で看護師をしていました。重病の子どもが運ばれてくるけどその両親は忙しくてなかなか見舞いにも来れない。子ども好きだからこそ堪えていたのだと思います。だから私達に子どもができたら子育てに専念したいというのが願い。
一念発起で迎えた転機
その思いを受け、頑張ろうと思ったものの明確なビジョンはなし。そして9月の終わりに結婚式を挙げ、それからまもなく農閑期。やることもなく、バイトにも出ていたのですが、基本的には暇。主夫としてご飯を作る日々。
このままではダメだ。あらためて方向性を考えて原点に帰るとやはり直売しかない。しかし引き売りも限りがある。そんな時に少しずつ普及してきたのがインターネット販売でした。
