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(茨城県 『マーフィーズファーム』 篠塚政嗣)instagram
販路について〜学び〜
市場やJAに出荷する場合、それぞれの販路の出荷基準があります。いわゆる「規格」というものです。それは全国的に統一されている、というものではありません。市場ごとやJAの部会ごとに若干の違いはあります。ただ、多くの場合共通して言えるのは「見た目の美しさ」です。次に「美味しく食べられるか」僕はそう感じています。
最近よくフードロスに関連して「規格外品の活用法」などが議論になったりしますが、そもそも規格というのはその販路ごとに違いがあって、「この販路では規格外だけど、あの販路だったら規格内」という話はよくあります。いわゆる「規格外品」を専門に取り扱う販路などもあったりして、その場合その販路にとって商品になるような規格外品は「規格内」なんです。
そういう販路でも「どんな規格外品でもOK」というわけではなく、当然NGになる「規格外」もあるわけです。なので、どれが規格外でどれが規格内なのかは販路ごとにケースバイケースなので、一概に「規格外品」という言葉だけでは語れない、なかなか複雑な話だと思っています。
話がちょっと逸れましたが、販路というのも今は様々で、サイズや色、形などに厳しい条件を求められる販路もあれば、それよりも若干融通が利く販路もあります。基本的に規格が厳しい販路の方が作物の価値は高めやすくなりますが、必ずしも歪だったり大きさがバラバラなものが安くなるとは限りません。「見た目の美しさ」ではないところに価値を置く販路もあるんです。
その中で僕の場合は祖父や叔父に倣い、販路は市場出荷、という選択をしました。まだこの時は販路にも色々あるという事自体を知らなかった、というのもあります。そしてこの時は、市場やJAなどの大規模流通は需要と供給のバランスによって相場がとんでもなく変動する、という事の重大さをちゃんと理解していませんでした。
第3回に記載のとおり、自分が出荷する出荷出来るタイミングが他の農家さんと同じくらいであったこともあり、そのためにリーフレタスの供給量が過剰気味のタイミングに僕の出荷も重なってしまっていました。就農二年目は同じくらいに出荷できるように技術の向上が仇となってしまうなんて、と思ってしまいました。
学びを経て
学びを経て、販路に関して次第に見えてきたことがあり、それは販路にも種類があり、それぞれ「経営体や生産の規模により向き不向きがありそうだ」ということです。僕は、どの販路が良いとか悪いとかはなく、経験上、自分に合った販路を選ぶのが良いのではない
かと思っています。小規模農家であるマーフィーズファームが、今の販路にどうやってたどり着いたのか、振り返ってみました。
