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(埼玉県 『横田農園』 横田 進)
埼玉県吉見町で農園を運営している横田と言います。
突然ですが、皆さん、一年間育ててきた100のイチゴの苗のうち一つだけ斑点がついています。ほかの苗はどう見ても問題なさそうです。その時に「この苗は病気だから全て捨てろ」と言われて捨てることは出来ますか?
今回、奮闘記を書いてくれと依頼され、自分の農業と人生のこと、農園研修生のこと、いろいろ思い起こしているうちにふとそんなことを思い出しました。失敗も沢山したな…なんて振り返りながら。よろしければぜひ読んでください。
人は経験しないとわからない
これまで多くの研修生の方が横田農園に来てくださいました。そして、共通して言えるのは、苗や作物が全滅する怖さは「経験しないとわからない」ということです。病気で作物が全滅する怖さを伝え、助言をします。しかしながら、全滅を経験してみないと、斑点の出ている明らかに病気と見える苗以外を捨てること、断ち切ることが出来る人はなかなかいないのです。
私にとって、それはかつての自分の姿です。『一年間大切に育ててきた苗。せいぜい100本に1本くらい転々と沁みがあるだけじゃないか。どう見ても他の苗は健康じゃないか。その苗を全部捨てろと言われても…』という研修生の心の声が聞こえてくるように感じています。
