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(埼玉県 『横田農園』 横田 進)
埼玉県吉見町で農園を運営している横田と言います。
面白いものですが、「農業では受け継がれる失敗」が何故か存在します。うまくいっている人のやり方を横目で見て真似をするのですが、うまくいくにはパッと見ても分からないコツがあったりします。毎年研修生を見て、さながら昔の自分を見ているようです。
他人に「社長はなぜ失敗するって予測できたんですか?」とよく聞かれますが、私は「自分も失敗したから」と答えます。農業で皆さん悩むポイントは実は似ているのかもしれません。少なくともイチゴについてはそのように言える気がします。では同じ失敗を代々繰り返すことはそれは悪いことなのか、決してそうではないと私は考えます。
今回は”受け継がれる失敗”についてお送りします。
研修生から自立し作業量が一気に増える時
これまで多くの研修生の方が横田農園に来てくださいました。さて、研修生の初年度、苗にして約1,000本を育成して経験を積むところから始めます。イチゴの苗1,000本を注意深く観察し育てていくわけですから、初めて農業を始める方は大変と言えます。
ですが、1,000本はまだ手が回るから大丈夫な範囲と言えます。研修生二年目に5,000本から6,000本を自分で調達して育成するところから始まり、その翌年独立すると更に本数が増えます。この瞬間、避けられない事情から様々な工夫と苦闘が始まるのです。
