（『バイヤーズ・ガイド』編集発行人 永瀬正彦）
展示会や商談会等で商談をする際に必要となるのが商談カルテです。
私が10年前に販路開拓支援を始めた頃は、都道府県、経済団体（商工会議所・商工会）、銀行など、各支援機関が主催する展示会や商談会の指定商談カルテは書式がバラバラで、参加者は毎回書き直しをしなければなりませんでした。
『FCP展示会・商談会シート』の書き方を学ぶ
農林水産省が平成20年度に、食に携わる関係者が協力し、消費者の「食」に対する信頼向上のために取り組むプロジェクト『フード・コミュニケーション・プロジェクト（FCP）』をスタートさせました。
その取り組みの中で、展示会・商談会出展者の「伝えたい情報」と、バイヤーの「知りたい情報」を1枚にまとめることで、効率的に商談を進めることを可能にした統一シート『FCP展示会・商談会シート』（現在は第3.1版）ができました。
今回は、このFCP展示会・商談会シートの書き方について学んでいきましょう。本コラムを読み進める前に、『フード・コミュニケーション・プロジェクト』のサイトのチェックと、以下必要書類のダウンロードをお願いします。
「ターゲット（お客様）」「利用シーン」の重要性
では、FCP展示会・商談会シートの表面から具体的に見ていきましょう。表面は主に商品情報の記載となり、大きく「商品特性と取引条件」「商品写真」に分かれますが、書くのが難しいとされているのがシート中段の「ターゲット（お客様）」「利用シーン」になります。
ここで私の過去の連載をご覧いただいた方の中には、ピンときた方もおられるのではないでしょうか。そう！『商談成功の秘訣！』Vol.３、販路開拓で重要な「ターゲットと利用シーン」で説明した内容そのものなのです。未読の方は是非ご一読ください。
ターゲットの項目に間違っても、「お子様からお年寄りまで男女を問わず美味しく召し上がっていただけます」などと書かないでくださいね。
また、商品特徴の欄で“美味しい・旨い”といった抽象表現をよく見受けますが、バイヤーが知りたいのは、その“美味しい・旨い”が実現できている背景・理由が知りたいので、原材料のこだわりや自社ならではの工程など、“美味しい・旨い” の理由を具体的に記載した方が良いでしょう。
商談の流れを意識して、写真を組み合わせてみよう！
もうひとつ重要なポイントは画像です。よくパッケージの画像のみで、商品の中身がよく分からないシートをよく見かけます。バイヤーは美味しい物を探しています。ここで美味しそうな調理例や商品自体の画像がないとバイヤーの目にはとまりません。
画像を効果的に活用するのであれば、商談の流れを意識して画像を組み合わせると良いでしょう。
例えば商品が瓶詰めの苺ジャムなら、原体（原材料の苺）、商品自体（商品ラベル）、果肉の大きさが分かる調理例（利用シーン）というように、商談の流れを意識して写真を組み合わせてみてください。一括表示の画像もくっきりと文字が見えるように、ラベルのみを撮影し画像掲載するようにしましょう。
今回は『FCP展示会・商談会シート』のご紹介と表面の書き方についてご説明しました。次回は、裏面の書き方と実践的な記入方法について解説します。来月またお会いしましょう！
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当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されています。
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