(株式会社ウェザーマップ 寺本卓也)
こんにちは。農てんきな気象予報士の寺本卓也です。先月気象庁は最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」と呼ぶと発表しました。近年は40℃を超える日は珍しくなく、農業においてもこの異常な暑さが非常に怖いところです。本当に世の中どうなっちゃってるんだろうと思いますよね。
さすがに今月に酷暑日という事はなさそうですが、暑さは日に日に増していきそうです。また田植えや野菜の定植など5月の天候は農業の1年の出来を左右すると言っても間違いないくらい大事な時期ですが、今月の天気もコロコロ変わりやすく油断できなさそうです。
そこでこのコラムでは農業に特化したお天気情報を、農業大学出身気象予報士の私が、たっぷりわかりやすくお届けしています。ぜひ今月も最後まで読んで頂き、日々の作業に役立てて頂けたらと思います。では、農てんきスタートです。
先月は一部乾燥 多雨で病気発生も
こちらは、3月31日〜4月29日の全国の総雨量です。

先月は岩手県、福島県、新潟県など相次いで山林火災が発生しました。乾燥が続き、ダムの貯水率もいまだ低い地域が存在します。
その一方で全国的に見ると雨量は多かったとも言えます。例えば先月降った東京の総雨量は平年比約130%、名古屋180%、福岡150%と4月にしては各地でしっかり雨が降っています。
広印広島青果さんに取材したところ、九州ではキュウリなどの果菜類で病気が発生、またレタスなどの葉物が腐ってしまったりと、春先には起こりづらい被害がすでに出ている事がわかりました。
今月は晴れの日多く、雨の日少ないか
それでは今月の雨はどうなるのでしょうか。1か月予報(降水量)を見てみましょう。こちらの図は、今月がいつもの5月と比べて雨が多いか少ないかを予想しています。

すると、今月は全国的に平年並みの予想です。もう少し詳しく言うと、先月は、晴れと雨の日が交互にやってきましたが、今月はどうやら全国的に晴れる日の方が多くなりそうです。
とは言っても、全く雨が降らないという事ではありません。5月は例年発達した低気圧が発生しやすく、いわゆる急な「嵐」に注意が必要です。春の嵐について気になるという方はこちらhttps://www.agriweb.jp/column/2641.htmlに短くまとめておりますのでぜひご覧ください。
今月前半は定期的に雨
特に今月は全国的に前半で一気に雨が降って、後半は晴れの日が多いという傾向になっていくかもしれません。こちらは私が執筆している時点(4月30日)のスーパーコンピュータの雨の予想です。

今月前半は短い周期で低気圧が本州にやってきそうです。特にゴールデンウィーク中は雨風が強まり嵐となりそうです。その後、10日(日)頃に低気圧が近づき再び全国的に雨となる予想になっています。
乾燥が続く地域は引き続き注意
乾燥が続いていた岩手県の予想も見てみます。ゴールデンウィーク中は東北も雨が多く、50ミリ以上はしっかりと降り土に水が浸透するくらいになりそうです。

しかしながら、その後はまた雨が少なく晴れる日が多く乾燥していく可能性があります。そのためゴールデンウィーク中の雨が貴重になってくるのかなと感じます。代かき、田植えのタイミング、マルチを施すなど再びの乾燥傾向も意識しつつ作業を計画するとよいかもしれません。
5月は雷雨・ひょうシーズン
また、今月は念のため「雷雨とひょう」も意識しておく必要があります。急なザーザー降りで畑が冠水、ひょうで農作物の葉や実が傷つくなどの被害が出るのがまさに今の時期なのです。なぜ雷雨やひょうが発生しやすい時期なのでしょうか。図で見てみましょう。

5月の雷雨の原因は「強い日差しによる、暖かい空気の上昇」です。ギラギラ暑い太陽の日差しで雷雨が発生しやすいのです。
入道雲は夏のイメージですが、乾燥空気から少しずつ湿った空気に入れ替わる5月頃からだんだん見かけるようになります。まさにそれが雷雨のサインです。特に、山の近く、盆地などは雷雨が起こりやすいため天気の急変に注意が必要です。
5月は30℃の真夏日
続いて、気象庁発表の1か月予報(平均気温)を見てみましょう。この情報は、平年の5月と比べて今年の5月の気温が高いか低いかを見るものです。

全国的に平年より高い傾向で、5月は暑い予想です。どんな体感かもう少し具体的に言うと、雨の日は20〜24℃で寒さはなく、晴れる日は25℃以上の汗ばむ暑さ、また数日は内陸など30℃以上の真夏日もありそうです。全国的に農作物の生育の前進、また葉やけ日焼けなどに気をつける必要がありそうです。
また湿度も徐々に高くなり、蒸し暑さを感じてきそうです。まだ暑さに慣れてない時期ですし、作業中の熱中症にも注意が必要です。そして雷雨にも注意が必要な訳です。
梅雨の大雨注意
今回はさらに長期の降水量予報を見てみましょう。

6月は全国的に雨が多く降りそうな雰囲気の色ですが、よく見ると全国で内訳は(30:30:40)となっています。これは少雨の可能性が30%、並の可能性が30%、多雨の可能性40%という意味で、若干6月は大雨の可能性が高いという意味合いになります。
一方で7月は各地で平年並みです。日々技術が進歩・発展している気象業界ですが、正直、長期予報はまだまだ精度が高くありません。
またこの予想は、6月の早くから梅雨が始まり長雨が続くのか、もしくは数日間で一気に1か月分の大雨が降るかも分かりません。あくまで1か月トータルで大雨になるかもしれない可能性が40%という事になります。
今年の梅雨は猛暑か
6月、7月の気温はどうでしょうか。今度は真っ赤です。こちらは、全国的6月、7月とも平均気温が平年より高くなる可能性が高い事を表しています。

6月に入ると35℃以上の猛暑という所も出てきそうです。しかしながら、こちらも何日間35℃以上の猛暑日になるか、またどれだけ暑くなるか、40℃以上の酷暑日の日はあるかなどは分かりません。しかしながら、7月に40℃の酷暑日が出ても全くおかしくはないと個人的には思っています。
現時点では具体的な大雨や酷暑の程度などは分かりませんが、いざという時に備えて日頃から意識しておきたいところです。来月も最新の情報をお届けしますので引き続きご覧頂けたら嬉しいです。
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