FAQ

公開日時
2016/05/16 17:00:00

法人化に伴い、個人時代の設備借入金を引受する場合で、資産の扱いが異なる場合
(1)資産は個人保有のまま法人が償還する場合
① 個人・法人間の返済金の移転は、法人側は役員報酬(損金)/個人側は給与所得となり、課税は個人側のみでしょうか。
② 資産の譲渡は伴いませんが、重畳的債務引受に伴い、個人は債務引受相当額のみなし所得認識は不要でしょうか。
(2)資産を法人へ譲渡する場合
① 法人は譲受価格によって、資産受贈益を認識(税務上)する必要がありますか。
② 個人は帳簿価格と譲渡価格の差額で譲渡所得認識が必要ですか。
③ 重畳的債務引受に伴い個人は債務引受相当額のみなし所得認識が必要でしょうか?また、法人は引受債務額を損失経理する必要がありますか。

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法人が償還する場合
 重畳的債務引受けによる負担割合を元の債務者0:引受者1とすることになります。資産は個人保有のままとする場合、会計上は引き受けた債務と同額を役員個人に対する役員貸付金として経理することになります。この場合、法人は引き受けた債務の利息相当額を役員貸付金の利息として収益に計上する必要があります。
 役員報酬については、いったん未払計上したうえで役員貸付金相当額を相殺して残額を支払うこともできます。この場合、役員報酬は法人の損金とすることができますが、役員貸付金相当額を含めた役員報酬の総額に対して所得税を源泉徴収する必要があります。重畳的債務引受けによって法人が債務の全額を引き受けたとしても、法人が個人に対して債権放棄しない限り、個人の所得とはなりません。
 一方、資産を法人に譲渡する場合には、資産の譲受価格相当額を個人に対する未払金に計上することになりますので、これを役員貸付金と相殺することになります。この場合、譲受価格を時価相当額とすれば、資産受贈益は発生しません。
 資産を譲渡した個人については、譲渡価格と帳簿価額との差額が譲渡益となり、譲渡所得として申告する必要があります。譲渡した資産が動産であれば総合課税の譲渡所得となり、譲渡益から年50万円の特別控除額を控除することができます。一方、譲渡した資産が不動産であれば土地建物等の譲渡所得として分離課税されます。
重畳的債務引受けによって設備借入金の債務の全額を法人が負担しても、法人が個人に対して債権放棄しない限り、個人の所得とはなりませんし、法人も損失として経理する必要はありません。

当該コンテンツは、担当コンサルタントの分析・調査に基づき作成されております。

回答者
森 剛一(アグリビジネス・ソリューションズ株式会社)