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(熊本県『天草農工房ふぁお』筒井洋充)
はじめまして。筒井洋充と申します。熊本の天草でデコポンのブランド名で知られる柑橘を栽培しています。
「100万円でも半分補助で実質50万になるわけだし、いいか」私自身はそのような考えで補助金を活用できる新規就農計画認定を受けることを積極的に選びました。ところが、これまでの10年で行政が推奨する農業計画は無理があると考えるようになりました。今回は、もう少しわかりやすくお伝えするために「今の制度は、時代に合っていない」という話をしてみたいと思います。
理由1:所得と収入は違う
前回の記事「その補助金いるの?10年前の自分に伝えたいこと」でお伝えしたように、私は就農とともに認定農業者となり、補助金を活用しました。新規就農計画認定を受ける主なメリットには次のようなものがあります。
■就農準備資金・経営開始資金の給付を受けられる
■研修や補助金などの国や自治体の制度を利用できる
■日本策金融公庫から無利子で融資を受けられる
一番のメリットは、国や自治体のお墨付きを得られることかもしれません。ただ、認定を受けるためにはいくつかの基準をクリアしなければなりません。大きなポイントは、所得250万円以上、かつ年間の労働時間が1,200時間以上を満たすことです。
年間労働時間が1,200時間以上というのは、月間120時間、週30時間、1日6時間ですから、難しくないと思うでしょう。時給では1,733円です。しかし収入と所得は違います。所得は農薬や肥料、燃料代などさまざまな経費を差し引いた後の金額のことです。そこから税金や社会保険料も払っていかなければなりません。
