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(熊本県『天草農工房ふぁお』筒井洋充)
はじめまして。筒井洋充と申します。熊本の天草でデコポンのブランド名で知られる柑橘を栽培しています。
『農業は儲からないの?ボトムアップで手取りアップ』で、今の農業はあまりにも農家まかせだという話をしました。事業者である個人や法人がどうにかできる問題を超えているのです。今回は私がそう思う理由のひとつである鳥獣害の話をします。
昔から農民は動物と戦っていた
近年は住宅街でもクマやシカ、サルなどの動物が出ていると報じられていますが、農業は常に鳥獣害と戦う仕事です。小豆島には「シシ垣」というイノシシ対策用の石垣が島のあちこちにあります。シシ垣は小豆島に限らず、各地にあるようですが小豆島のシシ垣は日本最大で、総延長が120キロあるそうです。それほどイノシシの被害がすごかったということなのでしょう。
小豆島のイノシシは一時、豚コレラで全滅したものの、イノシシは泳ぎが上手なので本州や四国から泳いで渡ってきて、再び増え始めました。オリーブにとってイノシシより厄介だったのがシカです。シカは葉だけではなく、木の皮もはいで食べるので、シカの食害にあった若い苗木は枯れてしまいます。
イノシシのすごい執念
天草でもイノシシが年々増えていて、この間はハウスのネットに穴が空いているのを見つけました。
