(『バイヤーズ・ガイド』編集発行人 永瀬正彦)
『FCP展示会・商談会シート』について、第6回目では表面の書き方、第7回目では裏面の書き方を紹介してきました。
今回は『FCP展示会・商談会シート』に関する最後の記事として、バイヤーにアピールできる実践的な書き方について触れたいと思います。
FCP 展示会・商談会シートは面接の履歴書だと思え!
FCP展示会・商談会シートの記入に当たって、必ずエクセルのフォーマットをダウンロードして作成してください。
常に修正を加えて完成度をあげよう!
手書きは読みづらいという理由もあるのですが、一度シートを作成して終わりではなく、バイヤーとの商談で気づいたことやアドバイスをもとに常に修正を加え続けて欲しいのです。
バイヤーはFCP展示会・商談会シートの完成度をみて事業者のレベルを判断します。
シートの完成度が高ければ個別商談で指名を受け、期待値が高い状態で商談に臨めます。一方、完成度が低ければ個別商談で指名がなく、期待されないまま商談が終わってしまうということもあります。やはり何度も修正を加え続け、ブラッシュアップしたシートは説得力が違います。
“相手”に熱意が伝わるカスタマイズを!
また展示会来場者や商談相手のバイヤーに対して、限られた時間の中で印象づけるには、FCP 展示会・商談会シートは面接の履歴書だと思うようにしましょう。
みなさんが過去に就職活動をした時、同じ履歴書ですべての会社の面接を受けたでしょうか?FCP 展示会・商談会シートでも、ターゲットの売り先欄ですべての業種にチェックをつけていたら、“あなたは一体どこで売りたいの?”と疑われてしまいます。
一方、志望先の会社に合った履歴書にカスタマイズすることで、その会社への入社熱意が伝わるように、商談でも “是非このバイヤーさんと取り引きしたい”という熱い気持ちは伝わるのではないでしょうか?
バイヤーにアピールできる書き方のポイント
● すべての項目を埋める
FCP 展示会・商談会シートは、バイヤーの「知りたい情報」を1枚にまとめたシートなので、項目は空白がないよう必ずすべて埋めてください。空白は自信がなかったので書かなかったと思われかねないためNGです。
● スタッフ全員で一緒に書く
そして、FCP 展示会・商談会シートは、できるだけ社内スタッフ全員で一緒に書くようにしましょう。シートの作成を通じて、“お互いの商品に対する意識や、製造や品質管理に関する認識に違いはないか?”指差し確認をすることができ、社内コミュニケーションの一環にも繋がります。
● 補足説明がなくても分かるように書く
また、書類はひとり歩きします。商談をしたバイヤーが担当カテゴリのバイヤーに渡したり、問屋が小売店に提案したりと、商談相手以外のバイヤーが見ることもあるので、口頭で補足説明をしなくても分かるように記載しましょう。
“読む書き方ではなく、目に入る書き方”を心がけよう!
さらに展示会は立ち話、商談会も商談時間は20分〜30分前後と限られています。そうなると“後から読んでください”は通用しません。その場が勝負で、最初の面談時に惹き付けられなければ、その後もバイヤーの気を引くことはできません。そのため記載は、“読む書き方ではなく、目に入る書き方”を心がけましょう。
ここでもエクセルデータであれば活字で読みやすく、太字・赤字・【】などの強調処理を行うことができます。そのうえで、箇条書き・簡潔な文章を心がけましょう。
最後にエクセルで注意しなければいけないのは、セル内にたくさんの文字を入力してしまうと、きちんと表示されない、または文字に縮小がかかってしまいます。出展企業紹介のメッセージ欄で、思いのこもった文章でバイヤーに熱意を伝えたいという方は、別紙で手書きのお手紙(自己PR 文)を添えてみてはいかがでしょう?思いや熱意はきっと伝わるはずです。
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